【黒バス】探偵少女は真実を守る-episode extra-

▲真実-220-▲ ページ3

「おい、君！

大丈夫か…聞こえてるか…!?」



「死傷者二名発見!!

うち一名はほぼ無傷ですッ!!」



けたたましい救急車のサイレン音と、耳元でがなるレスキュー隊員。


顔を顰めた黒子の目の前に、着々と担架が準備される。


それより、"死傷者"とはどういう事なのだろうか。


自分達は二人とも、確かに足はかなり疲れていて動かないが、それ以外は何ともないではないか。


準備が整った担架に、レスキュー隊員が黒子の腕の中で眠る少女をまず乗せようと、黒子に声をかけた。



「君、ひとまずこの子を担架に乗せるから、」



黒「…何でですか？」



「はぁ？」



黒子はそれを訝しげに思い、レスキュー隊員から一歩後ずさるように、片腕を使って離れた。


この人は何を行ってるんだろう、彼女は直に目覚めるし、何より僕が必死で守ったから無傷なのだ。



黒「彼女寝てるだけなんです。

今起こしますから、ちょっと待ってください。」



「え、ちょ、おい…。」



黒「Aさん、もう大丈夫ですよ。

起きてください。」



隊員の声を無視して、黒子は少女に声をかける。


よほど眠りが深いのか、なかなか起きない。


黒子は尚も、声をかけ続ける。



黒「起きて、起きてください。

Aさん、起きてください、起きて、」



「……ッおい、やめろ…やめなさい！」



黒「Aさん、ほら、起きないと…起きて、」



「やめろッ!!」



ガシッと、壊れたテープのように"起きて"を言い続ける黒子の肩が、力強く掴まれる。


隊員にはもう、見ていられない、痛ましい光景だった。


彼は、黒子の呆然と見開かれた、光のない瞳をしっかり見つめて、はっきりと告げた。



「あのな、あのな……その子は…もう…



.



.



……死んでるんだ、もう、二度と…。」



起きてはくれない。


その一言で、黒子の正気のタガは外れた。



黒「…ぁ……あぁ…あぁあぁぁぁぁ…。」



絶望で言葉も出ない口腔からは、意味もなく声だけが溢れる。


死んだ、死んだ、彼女は死んだ。


もう二度と起きてくれなくて、僕の名前を呼ぶことはなくて、もう二度と…。



黒「うぁぁあぁぁぁぁあぁあぁあああああぁああぁああぁあぁぁッ!!!!!!」



"愛してます"と、言ってくれない。


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ﾌﾞﾜｯ(´；ω；`)

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