奇蹟 [コード・ブルー] (ページ5)

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定期健診にさぼらずに来た私ってばすごく偉いと思う。まあ同じ病院なんだけど、午前休までも頂いてしまった。午後に頑張って働きます...。

で、いつもの一通りの簡易検査も終わらして検査結果を聞く。

「お久しぶりです。元気にやってますか？？って言っても同じ病院ですけど！！」
「元気ですよ～。もういつもばたばたしてます」
「よく聞きますよ！！救命の話、新人フェローの噂とか」

お話好きらしいこの先生。

若くて腕のいい心臓外科だって、噂を耳にしたことはある。

「で、検査結果なんですけどねえ」

ペラペラとカルテをみながら、パソコンの画面に検査表を映した。

「もうわかると思うんですけど、ここの数値ちょっと危ないかなぁって感じなんですよ」

その数値が体へどのような影響をもたらしているかは、他の項目にてサインが出ていた。

「...えぇ、割かし元気なつもりなんだけどなぁ」
「割かし、ってもう言っちゃってるからねぇ。心臓痛くなったりしない？？」

ここ一カ月間の体調と生活を見直してみる。

「...ないですねぇ」
「...ありそうな顔してるけど」

にこりと笑うその顔は怖くて仕方がない。

「痛くなるとかはないんですけど、苦しいなぁとか。でも結構ハードワークなんで仕方がないかなぁって、体慣れるまで待とうかと」

そういえば困ったような顔をした。

「無理しないでね、って言いたいところなんだけどうちの救命の人手不足は院内では有名だしね」

とりあえず診断書は出しておくから、橘先生と看護婦長には伝えておくようにと強く言われた。

「ありがとうございます」

深々と頭を下げると、そのかわり！！と大きな声でビクッとすると、先生は子供に言い聞かせるように言った。

「検査結果が落ち着くまでは週１で定期検診に来ること。異常を感じたらすぐに連絡すること。点滴や注射も我慢すること。本当に酷かったらドクターストップさせるから覚悟してください」

指で数えながらいう先生に、「...私、子供じゃないですよ」と言えば「子供みたいじゃん、ちっちゃいし」と言われた。

「松崎先生が先生でよかった」
「あはは、君みたいなハードワーカーな患者さんは大変なんだよね」

と嫌味らしく言われた。