【黒子のバスケ】関わらないでください25【赤司征十郎】

不登校＊1296 ページ48

‐赤司side‐


妙に甘えたAは今、僕の腕枕で僕に抱き付きながら眠っている。

結局理由は話してくれなかった。


本当に理由が無いのか？
Aは理由無しで甘えることは早々無いのだが……。

その時Aが僕を抱き締める手に力を入れた。
ほんの僅かに震えているような気さえする。

Aの頭を撫でながら髪をとかす。
Aは僕の胸板に顔を埋めた。

「猫みたいだ」

本物の猫はAの後ろに丸まって眠っているが。

甘えたいときはとことん甘えて、甘える気分じゃないときは甘えない。
基本マイペースなのもAの魅力のひとつだ。

Aは僕にくっついて離れない。

「A？今日は一体どうしたんだい？話してくれないとわからないよ」

と言いながらAの頭を撫でる。

「不安なのかい？」

僕は不安にさせるようなことをしただろうか。


Aをこんなにも愛しているのに、目移りなんかしないよ？
いや、しても多分Aは身を引くんだろう。

Aを裏切れば最後。
二度と僕には心を開いてくれなくなるのだろうね。
偽りの笑顔しか見せてくれなくて、そして酸いも甘いも噛み分けて限られた人物に甘えも弱さも見せるのだろう。

だからこそ、僕はAを裏切らない。
Aの数少ない心から信頼する人物になって、Aの笑顔を守っていきたい。


まだ君は僕を信じきってはいないから。

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