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不登校*854 ページ6

「……ん。…き…さい」


遠くの方からそんな声が聞こえてきた。
でも全然聞こえない。

「……よ。もっと………れ」

赤司さんの声だと思われる声が聞こえる。

何を言っているのかよく分からない。
でも揺すられる感覚があったのか、自分が揺れていた感覚がする。

けど優しく温かいものに包まれる気がした。


「折角の休みだ。Aだってゆっくり眠っていたいだろう」
「…わかりました。やはりAさんには優しいですね」

と今度ははっきり聞こえた。
赤司さんと葵さん……?

私はかけてもらった毛布に包まる。
でも素直に起きていればよかったと後悔する。


「なんだか妬けてしまいます」

葵さんの困ったように笑う声が聞こえた。

え……?
葵さん……?

いや、葵さんはお仕事で赤司さんの傍に居るんだよ。
だから……

と必死に自分に言い聞かせる。

「……」
「やだなぁ。そんなに睨まないでくださいよ」

と明るい葵さんの声。

もし葵さんが赤司さんを好きだったなら、葵さんに酷く辛いことをやらせてしまっていた。
きっと私が憎くて仕方なかっただろうに、葵さんはいつも私に明るく話し掛けてくれて…

そう思うと本当に私は最低で自分が許せない。

「大丈夫ですよ。貴方様のお隣にはAさん以外あり得ない。その座を奪う気はありませんし、新たな恋に奮闘中です。そもそもこの仕事に私情は厳禁。自業自得というものです」

と笑う葵さんの声が聞こえてくる度私は涙が堪えきれなくなる。
でも声を出すわけにはいかずに押し殺して泣き止むのに必死だった。

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設定タグ:黒子のバスケ , 不登校 , 木戸藍楽   
作品ジャンル:恋愛
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木戸藍楽(プロフ) - ルナさん» ありがとうございます!!頑張ります!! (2016年2月2日 0時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - あすかさん» ご心配お掛けしてしまって申し訳ございませんでした!! 大丈夫な事は大丈夫です! 本当に申し訳ありませんでした!続編が出来ましたので、続編でもよろしくお願いいたします! (2016年2月2日 0時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 更新頑張ってください! (2016年2月1日 23時) (レス) id: 4f24860843 (このIDを非表示/違反報告)
あすか(プロフ) - 更新速度結構落ちてますが大丈夫ですか? (2016年1月29日 2時) (レス) id: a0851de5f9 (このIDを非表示/違反報告)
木戸藍楽(プロフ) - 気まぐれミスディレクションさん» ありがとうございます!!そうですね!私も個人的に二人のイチャイチャ好きなのでイチャイチャさせます!(宣言)← ありがとうございます!!頑張ります!! (2016年1月13日 23時) (レス) id: 3693b8335e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:木戸藍楽 | 作成日時:2015年12月29日 15時

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