【黒子のバスケ】関わらないでください13【赤司征十郎】

不登校＊664 ページ16

‐赤司side‐


「Aちゃんの料理楽しみだな〜」

と桃井が言った。

今は家に帰ってきてAの料理を待っている。
厨房からは良い香りがしてきている。


「Aさんのお料理を食べたことあるのは征十郎様だけですからね」


と富田はそれぞれにお茶を淹れながら言った。

確かに僕以外には食べさせなかった。
佐藤の場合は別だが……

そうだ。
いつも料理を作ってもらえるのは嬉しいけど、その都度佐藤と居るんだ。

僕には難しい選択だ。
Aの料理を取るか、諦めるか。


「征十郎様、大丈夫ですよ。Aさんは弟子のような存在ですから。手は出しません」

とクスクス笑いながら下準備を始める。

今は笑われた事よりも、何故分かったかが気になる。
コイツの笑顔はいつも胡散臭い。


「そうですよ。それに佐藤さんはご結婚されてますから」

と富田が言う。


「へぇ、初耳だ」
「まだ二年程しか経ってませんよ」
「二年…？随分最近だな。何も祝ってなくてすまない」

と謝ると佐藤は笑顔を絶やさず、


「いえ。何もご報告していなかったのは私の方なので」


といつもの笑顔で言う佐藤。

名倉は結婚していて孫も居るとか昔聞いた。
使用人達のプライベートには踏み込まないようにしていた。

だからこそ興味深い。

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