黄瀬のお姉さんは【喰種で人間】なんだってさ【2story】

〜as a human〜87stories ページ45

結局、幸男から逃げて家へ帰宅した。


「ただいま」


「A、おかえり。お疲れ様」


「あれ、父さん。仕事は…」


「昨日は徹夜の仕事だったから今日は休みなんだ。」


私の父さんは病院で働く医者で徹夜の勤務の後は休みになる事がしばしばある。


「へぇ…」


「…なぁ、A。俺に何かあったら俺の部屋の棚を開けろよ。

そこにAの為に用意した物や聞かせたかった物がある」


「聞かせたかった物？今、聞かせれば…」


「いや、まだ早いだろうよ。だから、俺にもしもの事があった時に聞いて貰いたい。」


「お父さん、もしもの事って……。そんなの起こらせない。私が父さんも涼太も守るよ」


母さんが父さんもよろしくと言っていた。だから、私が守らなきゃ。それが私が母さんの願いを叶える唯一の事…


「…ありがとう。でも、良いよ。

そういえば、Aも、そろそろ勉強とかしたらどうだ？

今年は受験もあるだろ？」


「…お父さん、話を…！」


「A、今はまだ大丈夫だ。だから、安心して」


『今は』って…。そんなの安心できる訳無いじゃん。


私は怖いんだ、失うのが…


怖くて怖くてしょうがないんだ。


誰も死なないで、誰も傷つかないで…私のせいで誰かが死ぬのはもう嫌だよ


神様、もしいるのなら…私は死んでも良いから私以外の誰かを幸せにしてよ。お願いだから…

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