38.蓋を開ければ ページ39
「ひなって本当に何でもできるんだね」
えへへとはにかむ彼女に、あー、可愛いと思い抱きつく。まあ、赤司くんにすぐにはがされるんですが、もはやこれは日常茶飯事と化していますね
あの一件以来、たまにこうして私とひなと赤司くんと紫原くんの四人で昼休みを過ごすことが増えた
といっても、まだまだ女子の視線が苦手な私を気遣って体育館裏とか人の少ないところで過ごす日々。工藤さんたちからの(不本意そうな)謝罪をもらってからはなおさら女子の視線がきつくなった気がする
それでも、「ひな」と名前呼びができるようになったのである意味進歩かなと少しだけ思ってもいる
「あ、そういえばさ。スポーツ対決の時にひなとよくいる女バスの子に話しかけられたんだけど……」
「あー、郁かな」
誰と聞く前に察してくれたひなは、あっさりと答えてくれた
「いく?」
「うん。
「あ、確かなんかの代表に選ばれた子?」
そうそう、と頷くひなはいつにも増してきらきらした顔で笑っていた。バスケ関係なのかな?
そうは思ってもどこまで踏み込んで聞いていいのかわからず、言葉につまる
「郁乃ちん、クラス違くなぁい?」
「ひなが心配だったんだろ。無茶するから」
「……それ赤ちんもじゃん」
「だよねえ。みんな過保護ぉ」
聞くかどうか迷っているうちにどんどん話は進んでいき、聞ける雰囲気じゃなくなってしまい、とりあえず会話に合わせた
距離は縮まった
仲良くもなれてる
それでも、どうしても距離の測り方がわからない……
いつもこんなときに助けてくれる黄色の幼馴染が、なんだか恋しかった
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星蛍(プロフ) - せりさん» ごめんなさい!!まだ編集途中で10月に外しますので、少々お待ち下さいm(__)m (2018年9月28日 22時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
せり(プロフ) - 続編はパスワードつきなのですね…見る事は出来ないのでしょうか?とても面白いので続きが気になります (2018年9月27日 16時) (レス) id: 9c9e090c7f (このIDを非表示/違反報告)
星蛍(プロフ) - きゅうさん» ありがとうございます! (2018年9月18日 7時) (レス) id: 3b9001af19 (このIDを非表示/違反報告)
きゅう - おもしろかったです! (2018年9月18日 5時) (レス) id: fb4f6b02b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星蛍 | 作成日時:2018年3月31日 14時