7話「嫌いな時間帯」【凛雪】 ページ35
杏華side
昼。
私はこの時間帯が最も嫌いだ。
理由はやることがないから。
つまり、暇だから。
昨日は何もない平和な日だった為、いつもより早く寝た。
だから遅くに起きたつもりでも、まだ外は明るい。
寝ようにも眠気は覚めてしまった。
本を買ってもらったが、既に読み終わった。
「することがない…」
無駄に広い自室で一人、ため息をつく。
部屋にあるのは、本が沢山詰まった本棚が四台。
そして文机と座椅子と…寝床。
他にもあるが、長くなる為やめておく。
窓は、小さいものが一枚だけで、昼も夜も照明に頼っている。
そんな部屋を珍しく、訪ねる者がいた。
「杏華ちゃん? いる?」
襖越しに聞こえる声からあの人だと気づく。
「はい。どうぞ、蜜璃さん」
襖を開けると可愛らしい桜色の髪が真っ先に目に入った。
「久しぶりね! 元気にしてた!?」
とにかく明るくて、素敵な人だ。
「お久しぶりです。蜜璃さんこそ元気そうで何よりです」
少しだけ微笑みながら言う。
そんな笑顔にキュンとした蜜璃。
二人で仲良く会話ができて、昼は楽しくすごせた。
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次は出雲*弐式さんです!
8話 「お昼ご飯」 【出雲*弐式】→←6話「女子会」【和椛 湊】
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