Being with you Ⅵ【鬼滅の刃】【時透無一郎】 (ページ17)

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決心【善逸side】ページ17

「もうやめよう、善逸」

怒るでもなく、悲しむでもなく、

ただただ真剣な眼差しで俺を見る時透くん。

「もしかして時透くん…」

「思い出したよ、全部。

僕が鬼殺隊だったこと、霞柱だったこと、

Aとの約束も、全部。

…お前のこともね、鬼舞辻無惨______________。」

そういって鬼舞辻の方を振り返った時透くんの眼差しは憎悪に満ちていた。

でも、彼の音からは殺気は感じない。

「善逸の言う通り、
俺はお前のことを許す気はないし、
お前が前世でしたことは一生許さない。

でも…

お前がここに来たのは人間を殺したいからでも、鬼になりたいからでもないんだろ？

…なら、今から手伝ってもらう。

罪を償いたいんだったら、まずは俺の女から返してもらおうか」

ええ！？

お、おおおお、俺の女って…！！

急にたくましくなったような…てか人変わったんじゃないのぉ！？←

さっきまで無惨への憎悪でいっぱいだった俺も、時透くんの変わりように動揺しないわけにいかなかった。

「もちろんだ。だから私はここに来た。

…聞いてくれるか、私が今から話すことを」

時透くんは真っ直ぐ無惨を見て頷いた。

俺は…

まだ無惨のことは信じられない。

いくら無惨が生まれ変わって鬼じゃなくたって、
改心してたって、無惨が無惨であることに変わりはないんだ。

でも、目の前にいる無惨からは、

鬼に近いけど、鬼の音とは違う音がする。

昔無限城で聞いたような、ドス黒くて重くて、殺気に満ちた鬼の音とは程遠い音。

その音には少しの優しさと、大きな後悔の音が混じっていた。

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…まず今は協力してAを助けるんだ。

無惨をどうこうするのはその後だ。

そう決心して、俺も無惨の話に耳を傾けた。