時透無一郎 ページ9
教室に帰ると、
ホームルームはすっかり終わっていて、
教室はすっからかんだった。
「まぁ、そうだよね…」
教室の入り口でぐったり肩を下ろす。
なほもすみもきよもねずこちゃんも帰ってる…。
無一郎とも話ししたかったなぁ…。
「無一郎も帰っちゃっt『そこ邪魔なんだけど、どいてくれない？』え…？？？」
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フワッと丸くて、
透き通るようにスッと心に響いて、
それでいて低くて安定した声が背後から私を包む。
ずっと聴きたくて、
ずっと聴きたくて、
ずっと待っていた声。
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・
声を聞いただけで泣き出しそうだった。
このクラスに無一郎がいるのは知ってた。
でも、
入学式でも、ホームルームでも、
見ることさえできなくて。
だって、
今の無一郎にとって私は全く知らない人
友達でもなければ、ましてや知り合いでもない。
3ヶ月前に東京に帰ってきて、
2ヶ月前に記憶が戻り、
1ヶ月前に冨岡さんと遭遇した。
記憶が戻ってからの2ヶ月間、
私は無一郎を探し続けた。
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前世の約束を果たすために__________________。
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でも、人の記憶は自分から思い出そうと内側からその扉を開けない限り、絶対に戻ってこない。
つまり、無一郎が思い出したい、そう思わない限り私が何をしても何をいっても無駄で、無一郎を困らせるだけなんだ。
だから、私はまだ泣かない。
…泣けない。無一郎の前では。
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「あ、ごめんね。
…えっと…と、時透くんだよね…。
私、同じクラスの霧島っていうの。
よろしくね」
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これが今できる精一杯の笑顔。
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かぐや - え？いいなぁ…カナエ先生じゃん…現実にもいて欲しかったな…(・・3鮭）ガッカリぴちぴち (2020年7月6日 6時) (
レス) id: 20ac6cb932 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - るりもちさん» うわぁぁ、ご指摘ありがとうございます！頑張りますね！ (2020年5月28日 7時) (レス) id: df4a9c362b (このIDを非表示/違反報告)
るりもち - 甘味処タイム壱での禰豆子の「ね」が「鼠」になってますよ！素敵な作品ですね！ (2020年5月28日 6時) (レス) id: d40b704eb5 (このIDを非表示/違反報告)
りこ(プロフ) - もちもちさん» もちもちさん〜泣ありがとうございます！！なんとか頑張ってみます！！！！！ (2020年5月5日 1時) (レス) id: df4a9c362b (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - めっちゃ面白いです!!作品消さないで欲しい､､、更新頑張って下さい!!! (2020年5月5日 1時) (レス) id: 11f81e1c6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りこ
| 作成日時：2020年5月4日 1時
