3年A組の猫羽さん

＊ ページ29

柊｢はいはいはい｣







柊は生徒をなだめるように手を叩く









｢くぁ〜｣








猫羽は口を大きく開けて欠伸をする








柊｢お前ら聞けぇ！｣








そう言って机を投げられ、生徒は黙る










猫羽は眉間にシワ寄せて嫌そうな顔をする









柊｢コレは連帯責任だ……





さぁ、死んでもらおうか｣








甲斐｢どうせハッタリだろ！？｣








声を上げた甲斐をじっと見つめる猫羽









甲斐｢分かってんだよ、お前は誰も殺さない…いや、殺せない｣









柊｢…だったら試してみるか？お前がそこから一歩でも動いたら、ボタンを押す｣










｢…楽しそ｣









教室に緊張が走る中、猫羽一人だけは口角を上げる









柊は動かない甲斐を挑発する








甲斐｢上等だ…っ！｣






甲斐が一歩前に踏み出そうとした時、猫羽はキラキラした目をする








諏訪｢名乗り出ればいいんでしょうっ！｣









そんな甲斐を止めた諏訪に彼女はガッカリしたように脱力する











柊と諏訪の会話をつまんなそうにして聞く猫羽










生徒達は諏訪の言葉に便乗するように犯人に懇願する










そんなクラスメイトを見て袖で口を隠してクスクスと笑う彼女に誰も気づかない










茅野｢……です！……私です！！｣








声を上げた茅野を全員が見る









｢っ…何で…｣








投稿の内容を読み上げる柊を遮って叫ぶ茅野









柊｢じゃあ、パスワードは？｣









痛いところを突かれ、茅野は口を結ぶ








そんな茅野を見てついに彼女が口を開く…









宇佐美｢バッカみたい｣








全員が茅野から宇佐美に視線を移す








宇佐美｢何でそんな嘘つくの？皆を助けるため？だから自分が犠牲になるって？｣








乾いた笑いを浮かべ茅野を睨みつけ、｢笑わせんなよ｣と冷たい言葉を吐く









｢…｣








宇佐美は数歩前に歩き、机に手を付いて自白する







宇佐美｢私がやり逃げXでーす｣








猫羽はギュッと手に力を込める













パスワードを言って、それを柊が打ち込み、見事アクセス出来た












茅野を睨みつけ｢アンタのせいだ｣と喚く宇佐美の前に猫羽が歩みを進める










宇佐美｢…何｣

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