… ページ22
横｢じゃあ最終確認に入ります｣
玉｢俺と宮田はパーティ会場の全監視カメラのハッキングね｣
宮｢了解しました！｣
北｢なんか都合悪そうなことあったら、そん時だけカメラ切ってくれると助かる｣
宮｢任して！｣
横尾さんの手から配られたのは、宮田が作った今日潜入するビルの地図。入ったこともないのに良くもまぁこんな細かいところまで調べられるものだ。
横｢で、ミツとAは中に入ったらまずは太輔と合流して。その時点で俺に連絡してね｣
北｢あいよ｣
そして俺とAは実際会場に潜入して藤ヶ谷のサポートをする。Aは売り出し中の新人女優、俺はそのマネージャーになる、らしい。
資料を読み込んでいるとトントンと後ろから肩を叩かれた。
｢…おまたせ｣
北｢お前…どんだけ待たせ…ん、だ…｣
宮｢わー！綺麗！｣
玉｢すごいじゃん、やっぱり綺麗だね｣
振り向くとそこには支度を終えたAの姿。
緩く巻かれた髪はハーフアップにしてあって、ふわふわのリボンが巻かれている。品のあるピンクブラウンのアイシャドウにプルプルの唇。待った！と怒ってやろうと思ったのに、あまりに綺麗で言葉を失った。
メイクを手伝った千賀が横で誇らしそうに腕を組んでいて、二階堂はニコニコその様子を眺めている。
横｢じゃあ気をつけて行ってきてね｣
｢いってきます｣
二階堂が運転する車に乗って会場へと向かう。
普段しない格好をしているからなのか、俺もAもなんだかそわそわしてそっぽ向いてしまう。
｢ごめん、用意遅くて。早く準備すればよかった｣
北｢別に…。綺麗なんじゃない？｣
｢…え？｣
北｢馬子にも衣装ってやつだな｣
｢はぁ？ちょっと！｣
余計なことを言ったのは分かってる。でもやっとAがこっちを向いてくれた。目が合って、沈黙が流れる。
ニ｢お二人さん、何してんのか知らないけど、着いたよ｣
北｢お、おぅ。ありがとうな二階堂｣
｢ありがとね｣
ニ｢気をつけて行ってらっしゃい｣
怪しまれないように会場から少し離れた場所で下りる。
2人きりになるといよいよ気まずい。
｢ミツも馬子にも衣装だね｣
北｢へ？｣
｢似合ってるよ、かっこいいねって言ってんの｣
振り向いて弾けんばかりの笑顔で笑ったA。
これは1本取られた。俺はこいつにまだ勝てそうにない。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 68人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きのこ丸 | 作成日時：2020年11月18日 3時
