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出会い8 ページ8

何度か電話をかけたが、全く応答しない。
仕方なく家具屋のカタログを片手に車へ乗り込んだ。





家に帰ると、既に食事の用意ができていた。
おかえりなさい、とぎこちなく声をかけられ、こちらもただいまです、と返す。不思議と悪い気はしなかった。





「これ、家具屋のカタログだ。好きなベットを選べ。他に欲しいものがあれば言いなさい。夕飯はなんだ」

「...あ、はい!ポトフです。まだ食品、注文したばっかりで届かなくて、あるもので作りました」





心なしかそわそわしているように見える。
視線もキョロキョロと落ち着かない。






「どうした、何かあったのか?」

「い、いえ別に...ない、こともないんですけど」

「なんだ」

「銃兎さんって、女装とか、されるんです...か?」






「アイロンしようと思ってクローゼット開けたら女性物があって。あの、勝手に見てごめんなさい」なんて焦ってペコペコ頭を下げる彼女は、新宿の社畜リーマンに何処と無く似ていた。






「俺に女装癖はない。恐らく、前の彼女とかが置いていったものでしょう。気にしないでください」

「そうですよね、ごめんなさい」

「ところで、今日何度か電話を掛けたんですが、なぜ出なかったのですか?」

「え、電話掛けてもらってたんですか?ごめんなさい、気付きませんでした」






連絡先を入れたのか聞くと、まだと答えた。
スマホを見せてもらうと、ある特定の番号から何件もかかってきている。






「なんだこれは!」

「父親です、全部」

「着信拒否にでもしたらいいだろ」

「やり方分からなくて」





白狐 誠、そう書かれた名前を着信拒否ボックスに突っ込み、代わりに自分の番号を登録してやった。
連絡帳は入間銃兎ただ1つしか載っていない





「これでかかってこないだろう」

「ご迷惑おかけしました」





何をしていなくても、自分が悪くなくても直ぐに謝ってしまう彼女に、苛立ちではないがやるせない感情を抱いた。





「いい、構わん。それより腹が減った」

「すぐに食事の用意しますね」





...女性物の服、全部処分するか。
俺の足は真っ先にクローゼットに向かっていた。

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きのこ丸(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます!最近更新できていなくて本当に申し訳ありません。もうそろそろラストスパートをかけていこうと思っておりますのでどうかお楽しみに。これからもよろしくお願いします。 (2019年2月8日 1時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 滅茶苦茶自分好みの小説ですごい好きです()これからも全力で応援してます!更新頑張って下さい! (2019年1月17日 20時) (レス) id: 1eb8274d38 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ丸(プロフ) - ソーダさん» コメントありがとうございます。お褒めいただき光栄です。ぜひこの後もどきどきを楽しんでいただければ幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2018年12月19日 8時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - すっっっっばらしい小説ですね!!銃兎さんからの愛情とか設定も細やかで続きがとてもドキドキします!!更新頑張ってください!!!待ってます!!! (2018年12月19日 0時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
きのこ丸(プロフ) - ヒョオ()さん» コメントありがとうございます。先の展開が気になるような話の進め方に出来ているようで良かったです。ぜひこの先もハラハラドキドキして下さい笑。これからもご愛読よろしくお願いします。 (2018年12月15日 11時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きのこ丸 | 作成日時:2018年11月28日 17時

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