出会い6 ページ6
不思議なほど目覚めがよかったAM6:00
昨晩、銃兎さんには7時に起床すると告げられたのでちょうどいい。
ソファからゆっくり起き上がり辺りを見回す。
そこはやはりモノトーンでシックにまとめられたなんとも銃兎さんらしい部屋で、未だ見慣れない景色だ。
家出する時に唯一持ってきていたスマホには父からのおびただしい着信が来ている。ゆうに100件を超えていて、何か調べようと思ったがその気すら失せた。
とりあえず顔を洗って朝食を作ろう。
鏡に映った醜い顔に冷たい水をパチャパチャと浴びる。目は完全にスッキリ覚めた。
ブカブカのジャージの袖をまくり、キッチンに立った。冷蔵庫を覗くと、男性にしては中に入っている食品も多く、綺麗に整頓されていて驚いた。
もしかしたら、いやもしかしなくても我が家より良いかもしれない。
米を炊くには少々遅い気がする。今朝はパンにしよう。冷蔵庫から卵とウインナーを取り出す。昨日銃兎さんの好みを聞いておくんだった。何もわからない。
特に考えもないままフライパンに卵を割入れ、菜箸でグルグルと手早くかきまわした。次にウインナーを焼いて、同じ皿にグリーンサラダを盛って。
昨日まで全く見知らぬ男性だった人の家で何してるんだろうなんて疑問より、父親に怯えず朝を迎えられたことにとりあえず安心していたのだ。
AM7:00
銃兎さんのベットをそっと覗くとまだ夢の中だった。最初はとんとんと優しく叩いてみたが何も反応を示さない。足をゆらゆらと揺らしてみると、瞼が動いて翡翠色の瞳が覗いた。
「あ、ごめんなさい。おはようございます」
「おはようございます。わざわざ起こしてくれたのですか」
「はい。7時、なので。朝ごはん出来てます」
「わかりました」
銃兎さんは洗面所に向かった。
トースターに食パンを2枚突っ込み、テーブルに料理を並べた。ちょうどパンが焼けた頃に、もう既に七三分けになった入間さんが横で珈琲の準備を始めた。
「珈琲、飲めますか?」
「砂糖と、ミルクがあれば」
「お子ちゃまだな」
バターが塗られたパンもテーブルに揃う頃、銃兎さんが入れてくれた珈琲も付けられた。
1つはブラックで、もう1つはカフェオレだ。
「いただきます」
久しぶりの暖かい朝食。
カフェオレから上がる湯気をぼんやりと眺めるだけで、何となく生きている心地がした。
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きのこ丸(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます!最近更新できていなくて本当に申し訳ありません。もうそろそろラストスパートをかけていこうと思っておりますのでどうかお楽しみに。これからもよろしくお願いします。 (2019年2月8日 1時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 滅茶苦茶自分好みの小説ですごい好きです()これからも全力で応援してます!更新頑張って下さい! (2019年1月17日 20時) (レス) id: 1eb8274d38 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ丸(プロフ) - ソーダさん» コメントありがとうございます。お褒めいただき光栄です。ぜひこの後もどきどきを楽しんでいただければ幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2018年12月19日 8時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - すっっっっばらしい小説ですね!!銃兎さんからの愛情とか設定も細やかで続きがとてもドキドキします!!更新頑張ってください!!!待ってます!!! (2018年12月19日 0時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
きのこ丸(プロフ) - ヒョオ()さん» コメントありがとうございます。先の展開が気になるような話の進め方に出来ているようで良かったです。ぜひこの先もハラハラドキドキして下さい笑。これからもご愛読よろしくお願いします。 (2018年12月15日 11時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きのこ丸 | 作成日時:2018年11月28日 17時