出会い31 ページ31
｢む、こいつで最後か｣
｢骨のねぇ奴らばっかだな｣
スーツに軽く着いてしまった埃を払えば、理鶯の力を借りて目の前に倒れ込んだ男を1人ずつ縛り上げて行った。
屍のようになった男達を片隅に寄せる。
ざっと数えて10人以上はいる。この数を順が集めたというのか。でも、ここまで来ると、もうそうとしか考えられない。
｢さ、A探すぞ｣
歩き出した左馬刻の方から何かがフラフラとやってくる。少しずつボリュームが大きくなる気味の悪い笑い声と、ぴったり体にフィットしたようなセクシーな服が見えた。
｢...っ！｣
月明かりが女を照らす。
順だ。でも様子がいつもと違う。
ヘラヘラと力の抜けた笑顔で、喉が痙攣したような気持ちの悪い笑い声を上げて、足取りは覚束無い様子で。
そして何より、手や首を真っ赤に染めて。
｢銃兎、あいつ...｣
｢あ、あぁ、...｣
左馬刻も、理鶯も、俺も。豆鉄砲を食らったかのように思わず言葉を失った。手に付いた血が誰のものかなんて考えなくてもわかった。
｢うふふ...銃兎、もう邪魔者はいないのよ、ふふふ、ほら、私の元へ、帰ってきて｣
恍惚とした笑顔で俺を抱きしめた。
情けないことに、俺はその場から動くことが出来なかった。ただ呆然と立ち尽くしているだけだった。
｢あぁ、銃兎、ずっとこうしたかったの。あの女に誑かされていただけなよね？、もう離れないでね、銃兎は私のモノよ...うふふ、あはははは、！｣
｢なんだこのイカれた女は｣
｢悪い、左馬刻。今何も考えられない。Aを、見つけ出してくれ｣
｢ちっ...、理鶯！｣
｢了解した｣
何部屋目か開けたところでAは見つかったらしく、理鶯に横抱きにされて部屋から出てきた。
腹から流れ出した血が足跡のようにコンクリートの地面に滴った。
｢A｣
｢今はそんな女忘れて、私とイイことしましょ？｣
｢断る｣
ようやくハッキリしてきた思考回路。
まずはこいつを止めるのが先だ。素早く手刀を食らわせると白目をひん剥いて後ろ向けに倒れて行った。
｢もしもし、入間です。今すぐにパトカーと救急車をお願いします。ええ、事件です。鑑識も連れてきてください｣
頭痛がする。
俺は一体、なんていうミスをしてしまったのだろう。
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きのこ丸(プロフ) - ソラさん» コメントありがとうございます！最近更新できていなくて本当に申し訳ありません。もうそろそろラストスパートをかけていこうと思っておりますのでどうかお楽しみに。これからもよろしくお願いします。 (2019年2月8日 1時) (
レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ - 滅茶苦茶自分好みの小説ですごい好きです（）これからも全力で応援してます！更新頑張って下さい！ (2019年1月17日 20時) (レス) id: 1eb8274d38 (このIDを非表示/違反報告)
きのこ丸(プロフ) - ソーダさん» コメントありがとうございます。お褒めいただき光栄です。ぜひこの後もどきどきを楽しんでいただければ幸いです。これからもよろしくお願いします。 (2018年12月19日 8時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソーダ - すっっっっばらしい小説ですね！！銃兎さんからの愛情とか設定も細やかで続きがとてもドキドキします！！更新頑張ってください！！！待ってます！！！ (2018年12月19日 0時) (レス) id: 995cf675ed (このIDを非表示/違反報告)
きのこ丸(プロフ) - ﾋｮｵ()さん» コメントありがとうございます。先の展開が気になるような話の進め方に出来ているようで良かったです。ぜひこの先もハラハラドキドキして下さい笑。これからもご愛読よろしくお願いします。 (2018年12月15日 11時) (レス) id: c6e8e226d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのこ丸 | 作成日時：2018年11月28日 17時
