蜃気楼7 ページ7
スタッフさんに手を引かれたどり着いたのは楽屋がずらりと並ぶ舞台裏。さっきまで出演していた子達なのだろうか。衣装を脱いだり帰る準備をしたりしてせわしなく動いている。
スタッフ「こちらになります」
「あ、ありがとうございました」
半ば強引に連れてこられた上に目的地に着いたらすぐどこかへ消えてしまった。このドアを私に開けろというのか。プレッシャーが大きすぎるぞ...。
不安と緊張で手が震える。
はたから見たら変な人なんだろうなぁ。よし、開けるぞと決意してドアノブに手をかけたその時、ドアが勢いよく開いて頭をぶつけた。
「いてっ」
健「え、あ、ごめんなさい」
扉を開けたのはまだ幼さの残る男の子。
茶髪に綺麗なお肌、たくましい腕の筋肉。あ、この人ステージにいた。キスマイの人だ。
「えーっと、がっちゃん、でしたっけ?」
健「え、まぁ、あってますけど」
宏「千賀お前誰と会話してんだ...って、あ、Aか。やっときたの、おせーよ」
ぎこちない会話を繰り広げていると奥からひょこっと宏光君が顔を出す。千賀君?がっちゃんでいいか。がっちゃんの背中を押しのけて私を楽屋に押し入れる。
俊「あれ、ミツ誰その子」
宏「前から言ってた俺の彼女のA。歳は俺より1つ下だから横尾さんと同い年かな」
横「あ、俺と同い年なの?それにしちゃ意外と幼いね。年下かと思った」
公演を終えて興奮冷めやらない人、疲れきってソファでだらけてる人、で、多分シャワー浴びに行っててこの場にいない人もいる。
これがKis-My-Ft2なのか。
「あ、皆さんCDデビューおめでとうございます」
太「ありがとー」
宏「さて、俺はもう帰ろうかな。Aもいる事だし」
俊「ズルいそリア充め!このこの!」
賑やかで、楽しくて、まるで男兄弟がわちゃわちゃ暴れてるみたい。兄弟いなかったからこれも新鮮だな。
宏「帰るぞ、A」
「あ、うん。失礼しました」
皆に見送られ宏光君が捕まえてくれたタクシーに乗り込む。「今日泊まってくだろ?」なんて当たり前みたいに聞いてくるから「うん」としか返しようがない。
宏「あ、ここで大丈夫です。ありがとうございました」
お金を払い、タクシーのおじちゃんにお礼を言って宏光君の部屋に向かう。ドアを開ける前に宏光君が私に何かを手渡した。
「...何これ」
宏「何って、合鍵」
117人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:きのこ丸 | 作成日時:2018年7月1日 22時