蜃気楼5 ページ5
｢あぁ...、疲れた｣
大学のレポートを書き終えぐーっと背伸びをする。ずっと同じ姿勢を続けていたので腰が伸びて少々痛みを感じる。
｢あいたたた、さすがに2時間はやりすぎたかなぁ｣
でもこれも週末のお楽しみのため。
カバンから取り出したLIVEのチケットを見つめる。
｢Kis-My-Ft2に会えるでSHOW｣
宏光君が所属するグループ、Kis-My-Ft2が代々木体育館で行うコンサート。
どうしても行きたくて応募して当たった。
当たった時は本当に嬉しくて嬉して仕方がなくて宏光君に勢いで電話してしまった。
｢宏光君！聞いて！やっとコンサート当たったの！｣
宏｢ほんとか！？良かったな！｣
｢やっとキスマイの宏光君見に行けるね｣
宏｢俺も頑張らねぇとな。楽しみにしとけよ！｣
｢もちろん！｣
私は20歳の時2年海外留学した為、24歳の今、未だ大学生。もちろん課題というかレポートは出る。提出しないと単位を失ってしまうためきちんとやらないといけない。
日曜日のLIVEに課題とかいう無駄なものを残しておきたくなかったから、体を痛くしてでもどうしても終わらせたかった。
さて、ライブにはどんな格好で行こう。
宏光君のメンバーカラーの赤色の服がいいなぁ。そんな服持ってたっけ。
クローゼットを開けると真っ赤なワンピースを見つけた。でも少し派手すぎる。嫌だな。
よし、買いに行こう！
身支度を軽く整えて外に出る。
どうせなら可愛い服で会いに行きたい。タクシーを捕まえてショッピングモールへ向かった。
小さいときは洋服はパパが勝手に買いに行ってくれたから自分で洋服を選ぶという経験が少ない。私にセンスなんてものあるのだろうか。
いいなと思う店は見つかるけど、いいなと思う服は見つからない。店先でうーん、と唸っていると店員さんが奥から出てきてくれた。
店員｢なにかお探しですか？｣
｢あ、あの赤系の服探してて。何かいいのありますかね｣
店員｢これなんていかがですか？｣
店員さんが出してくれたのは赤の袖が白雪姫みたいにふんわりとしたトップスと黒い膝丈のシンプルなスカート。早速試着してみる。
これなら派手じゃないしデートで着ていけそうだな。
店員｢とてもよくお似合いですね｣
｢これ下さい｣
店員｢ありがとうございます｣
服が詰められた紙袋を見つめ更に胸が高まる。
明日が楽しみだな。
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作者名：きのこ丸 | 作成日時：2018年7月1日 22時
