お見合い相手は、いじめっ子 【K】

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貴「ひ、宏光も元気そうで何より・・・。」



北「なに？俺が餓死状態で、地面を這いつくばってたとか思ってたの？」



貴「いや、そういうわけじゃ・・・。」



ただいま２人きりでエレベーターの中。



あぁお願いです神様。



この地獄のようなエレベータを早く下ろしてください。



私は蛇に睨まれた、



可愛そうなネズミ状態。



北「相変わらず色気ねぇな。だから結婚できないんだよ。」



貴「うるさい！あんただって結婚してないでしょうが！」



まぁネズミもちょっとは反抗してみる。



北「俺はモテるからいいの。お前はモテねぇだろうがブス。」



貴「うっ・・・。」



が結局跳ね返されてしまった。





・


この直通エレベーターもそろそろ下に着くころ、



私はふと疑問が頭に浮かんだ。



貴「そういえば。そもそも、なんで見合いOKしたのよ。」



そう。彼が私との見合いをOKした理由。



向こうからの一方的な攻撃を受けるのも尺なので



今度は私から話を振ることにした。



北「いやお前こそなんでOKしたんだよ。」



そうすると、まさかの質問返し。



貴「私は会うまで宏光って知らなかった。」



北「あっそ。」



貴「なにその言い方！」



聞いてきたのもかかわらず、



ツンと冷たい態度を取られた。



貴方が興味ないのわかってるけどさ・・・。



貴「で、宏光は？」



北「携帯。」



貴「は？」



北「携帯出せ。」



突然、意味の分からない回答。



貴「携帯って私の？」



北「お前しかいないだろバカ。」



貴「いや質問の答えになってないよね。」



北「うるせー早くしろ。口ガムテープでぐるぐる巻きにするぞ。」



お前はQ＆Aができないのか！



さっきのお見合いのパーフェクトな受け答えをここでやれよ！




というより、




お前みたいなやつに



誰が携帯を渡すか！！




貴「いや、だから・・・。」



北「早く。」



貴「質問の答えを・・・。」



北「携帯。」



貴「いや、あのさ・・・。」



北「ガムテープで全身巻くぞ。」



貴「はい。出します・・・。」









腕を組みながら、



鋭い上から目線の視線に



優しくもなんともない声。









これ以上何言っても聞かなそうだし、




なにより恐怖で



私は大人しく携帯を取り出しました・・・・。









北「ちゃんとパスワード外せよ。」

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