お見合い相手は、いじめっ子 【K】

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父「いや〜。うちの娘とはお知り合いでしたか。」




北「Aさんとは小中が一緒でした。」




北母「出身が近いから、そうじゃないかと思ってたんです。」




母と父が仲良く



あいつと談笑中。





・


あいつが入ってきた



つい５分前。




私は緊張と驚きと恐怖で




その場から動くことも




声を出すこともできなかった。




北「あれ、春川さん緊張してるの？」




あいつはクスクスっと可愛く笑っている。




北(早くしゃべれよ、マヌケ。)




貴「ひ、久しぶりだね・・・。」




と、助け舟を受け




私はようやくしゃべれる事が出来た。




15年前と変わらず、



私は彼の心の声が分かるようです。



小学校時代にあいつに



ずっといじめられてきたせいで



中学生になる頃には



もう目を見るだけで



彼の悪口わかるようになっていた。



優しそうにしていて



実は腹黒い。



他の女の子には優しいのに



私には意地悪ばっかり。



あいつの中身は全く変わっていません。




・




北母「Aさん、顔色が悪いわよ。大丈夫？」



貴「えっ？」



頭の中はさっきから真っ白で



全然会話が入ってこない。



北父「本当だ、顔色が優れないな。」



貴「いや、大丈夫ですよ。」



お前の息子のせいだと言いたくなる。



母「いやだ、来るときは元気だったのに。たぶん緊張してるんですよ。」



お母さん、



私は恐怖を感じてるんだよ・・・。



北「Aさん、大丈夫？いったん席外す？」



そういって心配そうにするあいつは



本当に心配してそうで、



なにか気持ち悪い。



貴「だ、大丈夫だよ。うん。」



北「顔色が悪いよ。」



あまり聞いたことのない優しい口調。



目を見ても本当に心配してそうで。



あれ、ちょっと思ったのと違うな。ってなってしまった。



やはり15年という歳月は



人を変えるのだろうか。



貴「ほ、本当に、だ、大丈夫。ありがとう・・・。」



北「外の空気吸いたかったら、いつでも言ってね。」



なんだ、人違いじゃないか。



と思うくらい



目の前で話しかけてくる人は




私の知っている彼じゃなかった。




まぁ私も大人になったように、



このひとも大人になるもんね・・・。



根は良いやつだったから、



本当は優しいのかも・・・。

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