お見合い相手は、いじめっ子 【K】

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『ブー、ブー』



貴｢う〜ん・・・。｣



体温計を図ったあと、



疲れでぐっすり寝た私は



携帯のマナーモードの音で目を覚ました。



貴｢だ、誰・・・。｣



手探りで携帯を探し



ぼんやりしたまま電話に出た。



貴｢はい、もしもし。｣



横｢あ、A。大丈夫？｣



貴｢渉・・・。｣



電話の相手は渉だった。



時計の針はもう12時30分を指している。



あぁ、お昼休みなのか。



横｢大丈夫？料理失敗したの？｣



貴｢いや、有難い事に料理は上手くいきました。｣



横｢よかった。食中毒かと思ったよ。｣



貴｢なにそれ、体調不良だよ。｣



横｢これでも心配したんだけど。｣



渉は自分が教えた料理で、食中毒を起こされたと思ったらしい。



悪いけどそんな私はドジじゃない。



まあ、けど心配して電話かけてくれたんだよね。



貴｢電話してくれて、ありがとう。｣



横｢仕事は気にしなくて大丈夫だから、ゆっくり休んでね。｣



本当に渉って優しいよね。



話してると落ち着くんだよな。



貴｢本当、助かる。千賀にも謝っておいて。｣



横｢すげー心配してたよ。心の体調不良、悪化したんですかね？だって。｣



貴｢大丈夫だって言っておいてね。｣



千賀の心配をすると、なんとも可愛らしいエピソードが。



私は思わず笑ってしまう。



やっぱり千賀は可愛な。





・





貴｢渉と話してたら元気出たわ。｣



横｢そりゃ、よかった。昨日、北山さん喜んでくれた？｣



あ、それ聞いちゃいますか。



貴｢う、うん。喜んでくれた、よ。｣



横｢なにその、曖昧な返事。｣



貴｢え、そうかな？｣



横｢まあ、いいや。また明日教えて。｣



横尾さん。それは、嫌かもしれません。



貴｢はいはい。早く仕事行きなよ。｣



早く話を終わらせたい私は、渉をせかす。



横｢お前、元気なんじゃない？｣



そして、



貴｢ばいばい〜。｣



『ブチ』



無理やり切ってやった。



こりゃ明日、文句言われるな。



貴｢ちょっと寝て元気になったかも。｣



しかしまだまだ体は重いし



熱っぽい。



熱は下がってないみたいだ。



貴｢体が汗だくだしとりあえず、お風呂入るか。｣



汗がびっしょりで体はベトベト。



私はとりあえずお風呂に入ることにした。



ゆっくり体を起こし



よいしょ。っと立とうとする






『ブー、ブー』






がまた電話が鳴った。

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