お見合い相手は、いじめっ子 【K】

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『ピピ！ピピ！』



部屋に鳴り響くアラーム。



貴「う〜ん〜。頭痛い・・・。」



目をつぶりながら右手で、



音の主を探す。



貴「あった・・・。」



頭の少し上らへんを探すと、右手に私のスマホの感触。



スマホを手に取り



顔の前にもってきたところで、



ようやく目を開ける。



貴「何時・・・？」



目の前のスマホを薄ら目で見ると



『a.m.５：２２』と表示されていた。



なんで、５時？と頭の中でハテナが浮かんだ。



あ、そうだ、私はあいつを起こすために



こんなクソ早い時間にアラームをセットしたんだった。



貴「もう、最悪・・・。」



いら立ちを覚えグルン！と寝返りをうつと、



貴「あれ・・・？」



ぼやっと視界に



肌色が見えた。



私の寝室の壁紙って肌色だっけ？



一応、白のはず・・・。



視界がどんどんクリアになると



私の目と脳の情報が一致していく。



貴「あっ・・・。えっ・・・。」



視界に入ったのは、



見慣れない部屋。



見慣れないベット。



と目の前の



裸の寝ている渉。









は！？



貴「裸っ！？」



ばっ！と自分の体を触り確認すると



貴「よ、よかった・・・。服着てた・・・。」



脱いだ形跡もなし。



よかった・・・。



そういう事を経験したことがないわけじゃないけど、



目の前に裸の男、



しかも相手が渉となると



本当に心臓が飛び出そうになった。



横「おはよう。よく寝れた？」



貴「わぁ！」



声がした方向を見ると



手に顔をついてリラックスしながら



こっちを向いている裸の渉が。



貴「渉！か、体・・・・！」



横「上半身だけだよ、バカ。」



そうはいっても恥ずかしいので



私は素早く反対側に向いた。



貴「昨日、飲んで・・・。」



横「そのまま寝てた。」



貴「本当、ごめん・・・。」



恥ずかしくて布団に顔をうずめる。



横「大丈夫だって、そんな時もあるよ。」



貴「すいません・・・。」



３０歳になってもこんな事するなんて思わなかったよ。



横「ここに運ぶの大変だったんだけど。」



貴「ごめん、重かったでしょ。」



横「うん。」



貴「おい！」



横「ごめん、ごめん。」



そうすると、



横「ねぇ。」



渉が部屋の時計を指さす。



貴「なに？」



横「電話しなくていいの？」



貴「えっ？」



横「北山さん。」



貴「あっ・・・。」









只今の時刻、



５時３２分。

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