お見合い相手は、いじめっ子 【K】

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横｢そのまま置いていかれたの？｣



貴｢そう！酷くない！？｣



横｢最高に面白いんだけど！その現場見たかった〜。｣



モノクロで統一されたシンプルな部屋に



ガラステーブルを挟んで渉と宅飲み中。



テーブルにはオシャレな料理の数々が･･･。



これを全部、渉が作ったとは驚きだ。



まさかのエプロン男子、



これは彼女出来ないっていうか



いらないって言うのが納得。



貴｢もう本当、お見合いしなきゃ良かった！｣



横｢最悪の30歳の初日だったね。｣



貴｢これからが大変だよ･･･。｣



さっそく飲み始めると



渉に昨日の話をした。



私が置いていかれたことに渉は大ウケ。



笑い事じゃないんだけどな･･･。



そこからどんどんお酒が進む。



貴｢渉は無いの？お見合いの話とか。｣



横｢それはまだ無いかな。｣



貴｢合コンとか行けばいいのに。｣



横｢いや、合コンは肌が合わないっていうかさ。｣



貴｢わあ、こりゃ彼女できないね。｣



横｢いや、お前もな。っていうより、その北山さん彼女いないの？｣



貴｢あぁ確かに。モテるって自分で言ってたわ。｣



横｢高収入で顔もカッコイイんでしょ？｣



貴｢身長とあの性格以外は完璧かな。｣



うん、褒めたくないけど



確かにモテそう。



横｢わあ、全然勝てねぇわ俺。｣



ははっと苦笑いをする渉。



貴｢そう？私だったら渉の方がいいかな。



カッコイイし、優しいし、しっかりしてるし。｣




横｢へぇー。じゃあ付き合ってみる？｣



わあ、またこれは大変なご冗談を。



貴｢いやだ、そんな冗談言わないでよ〜。｣








横｢本気って言ったら、怒る？｣







貴｢はっ？｣



私の目の前には



突然、真剣な顔になった渉が写った。



貴｢よ、酔ってんじゃないの？｣



突然の告白にグンッ！と体温が上がる。



横｢別に、酔ってないよ。｣



貴｢いや、渉。絶対酔ってる。｣



横｢酔ってないって。｣



貴｢心臓に悪い冗談だよね。｣



横｢冗談じゃないって、俺はお前が((プルプル、プルプル



って何！？電話？｣



とタイミング悪く携帯が鳴ってしまった。



私は少し救われたけど･･･。



横｢タイミング悪･･･。｣



貴｢あ、これ私･･･。｣



この携帯は私の着信音。



横｢出たら？｣



貴｢すいません。｣



すぐに切ろうと思い携帯を見ると



貴｢げっ！｣





ディスプレイには




『北山宏光』




の四文字。

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