時間切れ ページ21
緊迫した雰囲気が流れていく。
一騎打ちが始まるけど、僕は一つだけ危惧していることがある。
残り1分程で演練が終わる。
お互いに一歩ずつ下がり、そして、一気に駆け出す。
動きが軽やかで速く、回転をかける事で威力を出す膝丸と、一撃一撃が重く、真っ直ぐの一刀で勝負を決める大包平か。
……そういえば、膝丸の得意不得意が妙に脇差に似ている。
「神仏の加護が無くとも、『俺が』勝てると…」
「フッハハハハ！これが、俺の…」
清光が、「言い回しがいつもと違う」と呟いた。
「証明しよう！」「必殺技だ！」
お互いの刀が振るわれる、その瞬間。
『そこまで』
という指示が流れた。
どうなったんだ……ん？
二人とも、刀を振りきってない、写真が撮れそうな状況で、というか普通なら持続出来ない状態で止まらされている。これはもしかして、強制終了…？
「こ、こんないい所で止めちゃうの！？俺この決着見たかったんだけど！」
「そうですよ！こんな所で止められたら、本人たちがどれだけもどかしいか…」
清光と前田が叫ぶ。分かるよその気持ち…。一騎打ちとか珍しいし、最後まで見たかった…。
「ふざけるな！何故勝負を邪魔する！？」
「まずは開放してくれ…」
当の本人(特に大包平)が不機嫌になってきているのを見越したのか、制止状態は解除された。
「いやー、悪かったね二人とも！あれを時間切れ以降もやってたら、両方折れる気がして止めちゃった！」
相手側の審神者が弁明したけれど、流石にあんまりだと思う。
「まあ仕方ないよあれは。膝丸さん特二手前なのによくカンスト相手にここまでやりましたね。びっくり」
いやびっくりじゃないからね。主、刀の本分を止められて二人とも怒ってるんだよ？
「俺は絶対に許さないぞ！生存最下位のこいつはともかく、刀剣の中の刀剣である俺が折れる訳ない！」
「何だと！君こそ平均的な機動で、源氏の重宝である俺の攻撃を避ける事は出来なかっただろう！」
「五月蠅い！機動を小烏丸に抜かれたくせに生意気だ！」
「君も総合値で小竜に抜かれただろう！？」
なんか始まった…。
「いやー、なんかごめんなさいね。いつもはこんな人じゃないんですよ。凄い落ち着いてるので内心びっくり」
「いやいや、本当にすまない！こっちは何時もこんな感じなんだよなー。むしろ膝丸ってこんな感じでなんぼというか」
それぞれの主の弁解と、太刀の小競り合いに僕は飽きれるしかなかった。
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さかな式(プロフ) - 九十九さん» 嬉しいです、ありがとうございます！拙い文章ですが、宜しくお願いします (2018年1月16日 20時) (
レス) id: 5d86fbdd38 (このIDを非表示/違反報告)
九十九(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください！楽しみにしてますよ。 (2018年1月15日 21時) (レス) id: 6ccd555bc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかな式 | 作成日時：2018年1月14日 15時
