赤と黒 ページ19
膝丸サイド
悩みは自ら断ち切った。
俺は、
だが、それも終わりだ。これからは自分の為に、そして主と仲間の為に、自らを縛らずに戦わなくては。
…全く、俺はろくでもない事でくよくよし過ぎた。
相手がかつて共に歩んだ仲間でも、麗しい逸話を持つ刀でも、刀剣の中の刀剣と言われようとも。
ひるむ必要が何処にあるというのだ？
「瘴気、断つべし！……っ！」
これで何十回斬ったのか分からない。だが、刀が初めて防がれた。反射的に後ろへ飛び退く。
相当距離をとったはずだが、着地地点は読まれていた。目の前に振られる刀に、前髪が斬れる。
片膝を突き、着地すると、大包平がその赤い目で見据えてきた。
「…こう見ると、滑稽な程兄とそっくりだな。膝丸」
「…また君か、大包平」
「大包平ー、俺たちも戦う？」
「我らはまだまだ戦えるぞ？」
蛍丸達を手で制して大包平は更に俺の前へ出る。
刀を握る手に力が入り、震える。恐怖からではない、俺はこいつを倒さなくてはならない、そんな決意からだ。
上機嫌なのか、彼は戦場に響く声で笑う。
「フッ、ハハハハハ！俺の動きを間一髪避けるとは面白いな！だがそろそろ終焉だ。……ここらで、一騎打ちというのはどうだ？」
「…嗚呼、望むところだ」
強敵との戦い。思わず、蛇のようにちらりと牙を剥いていた。
昔から、この様なものは嫌いでは無かった。
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さかな式(プロフ) - 九十九さん» 嬉しいです、ありがとうございます！拙い文章ですが、宜しくお願いします (2018年1月16日 20時) (
レス) id: 5d86fbdd38 (このIDを非表示/違反報告)
九十九(プロフ) - 面白かったです！頑張ってください！楽しみにしてますよ。 (2018年1月15日 21時) (レス) id: 6ccd555bc2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さかな式 | 作成日時：2018年1月14日 15時
