週末 ページ9
翌日、姉様のデート本番である日曜日。
私はというと、週末予定があるといった手前出かけない訳にもいかず、学校へ来ていた。
理由は部活の練習をするため。
前回の入院により、一週間も遅れを取ってしまったので、自主練をしに来たのだった。
「あっ、四宮さん！おはようございます！」
部員に挨拶され、私の声が出ないことは周知であるので、距離も遠いし一礼して返した。
______私は滅多に大会に出場しない。
理由としてはあまりにも不確定要素が多いから。
大会メンバーに入れて貰えたことは実際に数度あるけれど、体調不良により出場することが叶わなくなったことが何度かある。
そのため、私は自ら大会に出ること、メンバーに入れてもらうことを辞退していた。
顧問の先生には「もったいない」と惜しまれたが、1年生で今までメンバーに抜擢されていただけ光栄なので私は構わなかった。
姉様の補欠、が私の弓道部での立ち位置。
なので、万一姉様が不調を起こし、かつ私の体調が優れていた場合のみ、私は大会に出場する。
まあ、姉様のような方が、大会当日に体調を崩すなんて失態を犯すはずがないため、私の出番は恐らく一生回ってこないだろう。
私は姉様と違って、並大抵の凡人。
存在そのものが四宮家の恥と言っても過言では無い。
姉様が取った賞の数の半数にも満たない数しか賞を取れない出来損ないだった。
パァンッと勢い良く矢が的に突き刺さる。
真ん中を射ていて、部員の方が拍手をしてくださった。
姉様の手元をずっと見てきたから、真ん中を射ることは造作もない。
でも体調を整える、そんな基本的なことが出来ない。四宮家として、自負として恥であった。
同じ血筋なのにこうも違う。
思わず少し暗い顔になりかけ、慌てて首を振って取り払う。
私は出来ることを全力でやるだけ。
素晴らしすぎる姉様と比べたって仕方が無い。私は私なりに頑張って、妹として姉様の顔を汚さないようにしなくては。
その日は門を閉じるギリギリの時間まで、弓道場で練習をした。
手がジンジンと痛むが、精度を上げることは達成出来たため満足しながら迎えの車に乗り込んだ。
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 296人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
りな - 完結しちゃったんですか…！？続き…待ってます…😢 (2021年12月30日 23時) (
レス) @page33 id: eb1e650017 (このIDを非表示/違反報告)
さくら - 完結してしまった、もしかしてもう更新しませんか？続きすごい気になります！更新頑張ってください！！ (2021年1月19日 20時) (レス) id: 62527af0b0 (このIDを非表示/違反報告)
小町(プロフ) - 完結してしまった…！？とても続きが気になります！！ (2021年1月2日 0時) (レス) id: bd1a04dc1b (このIDを非表示/違反報告)
うさこ(プロフ) - 完結なんですか？続きが気になります (2020年7月29日 23時) (レス) id: eedc890ee9 (このIDを非表示/違反報告)
(名前)太中大好き人間(プロフ) - 自分はいらない子なんじゃないのか、という気持ちがすごく分かります！この作品好きになりました！これからも頑張ってください！ (2020年7月4日 0時) (レス) id: 5bc9e3e078 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年3月31日 19時
