思い出のオンボロバイク《龍宮寺堅》

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次の日、いつも通り変わり映えのない学校へ登校したが、少しだけ違った事がある。
携帯を頻繁にチェックする事と、昨日、龍宮寺君と一緒に居るのを見た友人達からの質問だった。
聞かれるだろうなぁ…と思いながら登校したので聞かれた事には何も思わなかったけど、龍宮寺君が有名人だった事に驚いた。



「金の辮髪、龍の刺青って言えば元東京卍會副総長の龍宮寺堅しかいないでしょ！ドラケンだよ、ドラケン！」
『ドラ……ケン？』



なるほど、龍宮寺の龍がドラゴンでドラケンか…なかなかウマい…なんてのほほんと言ってのけた私の額を友人が小突く。



「あんなヤバいのと付き合ってちゃ駄目だって！」
『や、龍宮寺君、彼女いるし。昨日はたまたま…』
「相手は不良だよ？しかも暴走族のヤバい奴！女だったら誰でも良いんだって！」



友人達の熱弁に頭がフリーズするものの、昨日会った龍宮寺堅という男は友人達が言うほど悪い人ではないように思った。



『そんな悪い人には思えないけど…』



そう言ったところで友人の一人が携帯の画面をこちらに向ける。
新聞記事にもなるような不良だよ！と言いながら見せられた画面には何年か前の新聞記事があった。
小さい記事ではあるものの、暴走族 [東京卍會] と書かれた記事には負傷者多数、死者まで出たと記載されていた。



「いきなり解散したのはビックリしたけど、絶対ヤバいって」
『や、でも……』



バイクの修理を頼みました、など言える空気ではなかったタイミングで机に置いていた携帯がブルブルと震えだす。
メールかな？と思いながら携帯を開くと知らない市外局番からの着信。
マナーモードにしていた携帯は20秒ほど震えて止まり、画面には不在着信1件の表示。

放課後に折り返し電話をしようと思いながら、予鈴と共に移動教室へ向かった。




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