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「おねーさん、ひとりー?」
「送ってあげよっか?」
「晩飯食べに行かない?」
朝のお通夜気分はすっかりなくなって、寧ろ龍宮寺君からのメールで最高潮に達していた気持ちが一気に覚めていく。
チラリと見た男達はセダンの車に乗って爆音を流してサングラス。
髪も派手な男達は典型的なチャラ男というやつだった。
無視を決め込むに限ると思い、そのまま駅へ向かう私だったがわざわざ車から降りて来た2人に挟まれるという事態になった。
『すいません、急いでるので…』
それでも、いいじゃん遊ぼうよ〜としつこい彼等に苛々しながらも足早に駅への階段を上がろうとした所で、遂に手首を取られてしまう。
離して下さいと言っても離してくれる訳などなく、何だこのテンプレみたいな展開は…とこんな男達に捕まってしまった自分が情けなくなった。
『警察呼びますよ』
「えー、おねーさんコワーイ」
さらにグイッと引っ張られた時だった。
ブォン!と言うエンジン音。
金色の辮髪、こめかみの龍。
「テメェら、誰の許可得てコイツに触ってんだ?あ"ぁ"!?」
『り、龍宮寺…くん……』
「おい、A!テメェ勝手に来てんじゃねぇよ、勉強しとけっつったろーが!」
激しく捲し立てる龍宮寺君を見て、ナンパ野郎達は東卍のドラケンだ…!と言って顔色を変えて逃げて行ってしまった。
こめかみの龍と同じような顔をした龍宮寺君に目の前に立たれて、去ってしまったナンパ野郎達に絡まれていた方がまだマシだったかと思ってしまう。
「送る」
『え……』
「送ってやるっつってんだよ」
そう言ってガポッと頭に被せられたヘルメット。
今までの厳ついフルフェイスではなく、女子が好みそうなデザインのジェットタイプのヘルメット。
『これ…』
「テメェんだよ…ほら、乗れ」
注文するついでがあったからだとか、三ツ谷がうるせぇからとか言う龍宮寺君だったが、彼が選んでくれたチェックのラインが入ったソレは、この瞬間から私の宝物になった。
いつものように龍宮寺君のバイクの後ろに跨って、タンデムシートのベルトを握る。
「いつもより距離あるからな、そんなんじゃ振り落とされるぞ」
ベルトを握っていた手を大きな彼の手が攫い、腰に引っ付くように言われてしまう。
捕まってろ、と軽く言う彼に対して、私は顔から湯気が出そうになって頬が緩んでしまうのを必死で隠すしかなかった。
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きりまる(プロフ) - 月代皨さん» わぁ〜!そんな風に言って頂けて嬉しいの極みです…(´;ω;`)ありがとうございます!半間氏の小説もありがとうございます……!ゆっくり更新ですが頑張りますっっ!!! (2021年10月29日 20時) (レス) id: 684e8f5b6d (このIDを非表示/違反報告)
月代皨(プロフ) - よ更新待ってよかった〜!!とても素敵な作品でした!半間の小説も拝読させて頂きます……!これからも頑張ってください! (2021年10月29日 12時) (レス) @page42 id: b8769a82e7 (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - ゆさんさん» 初めまして(*´∀`*)コメントありがとうございます!嬉しいです!もうすぐ続きを更新できそうですのでお待ち頂けると幸いです\(^o^)/ (2021年9月14日 23時) (レス) id: 684e8f5b6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆさん(プロフ) - はじめまして!ドラケンかっこよすぎます!続き楽しみにしてますね!更新頑張って下さいヽ(●´∀`●)ノ (2021年9月14日 10時) (レス) id: 362f4d269d (このIDを非表示/違反報告)
きりまる(プロフ) - あけりさん» そんな風に言って頂けるとめちゃくちゃ嬉しいです(´▽`*)ゆっくりペースですが、カッコいいドラケンを書けるように頑張ります!宜しくお願い致します(^ー^) (2021年9月1日 0時) (レス) id: a5f16a2551 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりまる | 作成日時:2021年8月19日 21時