君に花言葉《灰谷蘭》 (ページ24)

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「A、また上手くなったんじゃないか？」

『え、本当ですか！』

「彼氏が見に来てたら頑張るしかないもんね〜」

他校との試合。
ペアの子と歩いていたら、先輩の姿が見えた。
挨拶して他愛もない話をして、褒められて嬉しくなってデレて。
まぁ、運悪く応援に来てくれた蘭と竜胆と竜胆彼女に出くわして……

「お前、マジで良い度胸してるよなぁ〜？」

『グェっ！蘭！ちょ、ギブギブ！』

先輩もペアの子も見てる前で後ろから羽交い締めにされて、ひと目も憚らず熱い熱いキスをお見舞いされた。

あの日、お互いの気持ちをさらけ出してしっかり話して蘭とのお付き合いが始まった。
蘭は先輩にもゴメンナサイしたし、喧嘩が少し…ほんの少し減ったらしい。

「つ〜か、お前さ、足出してるとか聞いてねぇんだけど？」

『あー、新しいユニフォームがスコートしかなくて…』

いつもはハーフパンツタイプのユニフォームなのだがこの度のユニフォームはスコートタイプしかなく、苦手なヒラヒラを身に纏う私を蘭は上から下までじっとりと眺めて、そう言った。

「オレ以外の奴に見せてんじゃねぇぞ？」

付き合って思う事、蘭は独占欲が半端ない。

以前からそういう節はあったけど、付き合い出すと独占欲なんだか過保護なんだか分からないくらい連絡をくれるようになった。

「おい、竜胆！てめぇAの足ばっか見てんじゃねぇよ」

「あ？見てねぇし、ンな足誰が見るか」

おい、竜胆、今のは聞き捨てならないぞ？

「あ〜、マジ、痕付けときゃ良かった」

「なに、兄貴とAってもうヤッたの？」

『はぁ！？ちょ、蘭！マジで黙れ！ってゆか、まだだし！』

「ハジメテだからって照れんな〜？蘭ちゃんが全部教えてやっからな？」

『蘭！！しかも、ハジメテって……！』

「あー、ワリ、言っちゃった」

『りんどー！』

こんな私達の日常会話を、竜胆の彼女と先輩と友人はケラケラ笑って見ている。

昔から、蘭と竜胆と居るのは最高に楽しかった。

これから歩く、蘭の隣はもっともっと最高だと思う。

end.