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先輩が来た事で男子と女子の合同での練習が始まって、捻挫で出番なしな私は部室にて破れたネットの補修などに勤しんだ。



『おつかれー』

「Aも1人でおつかれー」



部活後に皆がそう労ってくれるだけで泣きそうになった。
迷惑かけてゴメン、と謝ればお互い様だと言ってくれる部員達に感謝しかない。



「でも、その足じゃ帰れないでしょ?」

『あ〜…』

「あ、幼馴染み君か?」



バイクでビューンと迎えに来てもらったらー?と言う友人に、そうする!と返してバイバイしたのだが、蘭に連絡したけど繋がらない。
竜胆も右に同じで、また2人揃って喧嘩かな…と思いながら、痛む足をヒョコヒョコさせながらバス停へ向かった。



「A?」

『あ、お疲れ様です』



バス停へ向かう途中、自転車を押す先輩に会ったのは本当に偶然。



「捻挫してたんだな」

『お恥ずかしいです』

「ははっ、もっと恥ずかしいとこ見てるだろ」

『え!?何見てるんですか!』

「顔にボールぶつけて鼻血出したり?転んで鼻の頭擦り剥いたり?」



何でそんな事覚えてるんだ、この男…と思いながら話すのは、先輩の運転する自転車の後ろに乗りながら。
バス停で出会って、事情を話せば直ぐに送ると言い出した先輩を断れず、あれよあれよと乗せられてしまったのだ。

クラスの男子ともよく話をするけど、蘭や竜胆以外の男の人の物は違えど後ろに乗るのは初めてだった。
バイクと自転車の違いや、蘭と先輩の違いもあるかもしれないけど、蘭と違って私を女の子扱いしてくれる先輩。

そんな先輩には申し訳ないけど、どうせなら蘭にされたいな…と思ってしまう私は蘭に盲目。



「明日も送ってやろうか?」

『いやいや、大丈夫です!先輩も大学あるんだし』

「今、午前授業だけだし……Aと話したいし」



そんな事を言う先輩の気持ちを読み取れない程、私は恋愛馬鹿ではない。
部活ばっかりしてるとはいえ、蘭に長年片思いしてる身だからそういうのは敏感なのだ。



「兄貴?どした?」

「あ"?別にィ〜?」



先輩の自転車に乗ってる私を蘭が見てたなんて知る由もなかった。





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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷蘭 , 灰谷兄弟   
作品ジャンル:恋愛
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尾熊乃碧 - ハラハラドキドキ、面白かったです。 (2022年6月4日 9時) (レス) @page26 id: 9bf86ec6ad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きりまる | 作成日時:2022年1月19日 23時

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