12.side rind ページ12
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重たい瞼を持ち上げればガキの頃によく見た天井があった。
まだ薄暗い部屋の中で光る携帯を開ければ、アイツからのメッセージを受信していて口角が上がる。
「朝っぱらからニヤけんな〜?」
「起きてたのかよ」
クァっと欠伸をする兄貴。
昨夜は3人で久々にゲームして夜更し。
格闘ゲームに勝利したオレがAのベッドを勝ち取って、負けたAはオバサンの部屋で寝ると言っていたのに、ベッドに凭れる兄貴の足に頭を置いてクゥクゥ寝息を立てていた。
「おもしれェよな、コイツ」
Aの髪の毛で遊びながら、そんな事を言う兄貴。
Aに加勢する訳じゃねェけど、疑問に思う事があった。
「兄貴はAが好きだと思ってた」
いくら幼馴染みとはいえ、兄貴が唯一何をされても何を言われても怒らない相手。
それがAだ。
Aは自分の扱いが雑だ!とよく兄貴に文句を言っているが、兄貴はAの事を大切にしている。
じゃねぇと、今みたいに太股に頭乗っけて大口開けて寝るのなんて許さねぇだろ。
「好きだぜ?」
「付き合ったりしねェの?」
「そ〜ゆ〜んじゃねェんだよなァ……勿体ねェじゃん?」
付き合ったら最後、今の馬鹿みたいな関係には戻れない。
泣いて懇願してきても離してやる事なんて出来ないくらいドロドロになってしまうだろうから。
「まっ、オレの庭で放し飼いみたいなもんだけどな?」
「それ1番ひどくね?」
いつかAが逃げ出そうとしたら、兄貴はどうするんだろうな。
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尾熊乃碧 - ハラハラドキドキ、面白かったです。 (2022年6月4日 9時) (レス) @page26 id: 9bf86ec6ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きりまる | 作成日時:2022年1月19日 23時