猫の初恋《五条悟》

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彼女の名前はAと言うそうだ。
年齢は27で僕の１つ下。



『さとるくんは何歳かな？』

「ニャンニャン(28歳)」

『毛並みも綺麗し、2歳くらい？』



僕の事を撫でながらずっと話しかけてくる。
絶妙な部分を絶妙な力加減で触ってくるから、猫の僕は気持ち良くて仕方がない。



『こっちおいで？』



ベッドに寝転んだAが僕を呼んだ。
お風呂上がりの彼女は、下着を付けないタイプらしくTシャツ1枚に短パンのラフ過ぎる格好をしている。

これ、実は人間でしたってバレたらヤバイやつだよね？
だって、僕の目の前で着替えてた訳だし。
見えたよね、普通に。



『さとるくん？』



僕の名前を呼んだAは寝転ぶ自分の隣をポンポンと叩く。
場所で言うと彼女の胸の前あたりで……まっ、良いか、僕、今は猫だし。



「ニャン」

『ふふっ、可愛いなぁ〜、ねっ、吸って良い？』

「ニャ？(吸う？)」

『一度やってみたかったんだよね』



そう言って、僕を抱き締めたかと思えば、僕の首筋辺りに顔を埋めてくる。
スゥーッスゥーッっとマジで僕を吸ってるんだけど。ウケる。

でも、悪い気はしない。

早く人間に戻って帰らないと高専の連中は心配するだろうし、実家に連絡なんてされたら面倒だし。
でも、僕の事を吸ったまま眠りに落ちてしまった彼女ともう少し一緒に居たいな、なんて思ったりもしてしまう僕がいた。




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