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◎章大side
失敗した。
言い返したかったのに。
かっこよく追い払って、Aちゃんを守りたかったのに。
Aちゃんがネイルサロンで働く前何をやってたかなんて僕は知らんかったし、ほんまはちょっと怖かった。
結局僕は一目でAちゃんより年下ってわかるような頼りない学生で、理不尽な事ばっかり言うあの男の方が信用できる大人に見えると思ったら。
僕の足場はもろくて弱くて、しょうもない荒探しみたいなことしか言えんかった。
自信を持ってAちゃんの代わりに声をあげれるほど、僕は彼女を知らないのかもしれない、と思ってしまった。
現実を突きつけられたら僕は本当にちゃんと君を守れるのか、それを自覚させられんのが怖かった。
僕、弱い。かっこわるい。
背伸びして車で夜のデートとかいって浮かれて、好きな子ひとり守れんで。
こんな顔させたかったんやないのに。
ただ、笑って楽しんで欲しかったのに。
水族館からの帰り道、助手席の彼女は外を眺めたままずっと黙っていた。
車の窓に反射して映るAちゃんの顔は何かを考えてるみたいな深刻な顔で、僕はまた悲しくなる。
さっき水族館でも、ほんまはずっと水槽のガラスに反射してる君を見てた。
僕と会うことを考えながら選んでくれたはずの服もメイクも髪も爪もちゃんと見たかったし、ちょっと楽しそうにしてるAちゃんから目が離せんかったから。
Aちゃんが好き。
なのに僕はまだ、いろいろ足りない。
Aちゃんの叔母さんに胸張って「まかせてください」って言えるまでになってない。
帰って反省会やな。
ほんまはまだ帰したくない、一緒にいたいけど。
2人とも黙ったままで彼女の家に着いてしまったので、車を停める。
泣きそうや。
「Aちゃん」
ばいばいを言おうとして、目にグッと力入れてうつむいていた顔をあげたら、
Aちゃんはちょっと笑っていた。
そして、初めて見る、イタズラを仕掛けるみたいな顔で言った。
「章大君、家に上がっていく？」
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みき(プロフ) - 待ってます！ (2021年4月14日 10時) (
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cayochi(プロフ) - 私も待ちます (2021年4月14日 8時) (レス) id: 89ed3d2d70 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - いい子で待ってます (2021年4月14日 8時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - イイ二人の世界だ〜(*´艸｀*) (2021年4月14日 8時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
みき(プロフ) - 二度目の更新有難うございます！丸ちゃん、金木犀の香り…想像できます〜♪♪でも、連絡先交換とか名前で呼ばせるとか！？えっ！！丸ちゃんーー！！！って感じです！！笑 (2021年4月13日 19時) (レス) id: c6ee858f5f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2021年3月8日 9時
