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「…どうにもならないのかな」
仲良くなりたい気持ちはあるのに、マックや、この人たちに会う場面になるといつもこう。怖くなって、躊躇。
度胸は座っているほうだと思うし、仕事柄人と会うのも苦手ではない。多分防衛本能的なものではないかと思っているんだけど。
ア「どうにかしたい？」
「そりゃあ、まあ」
ジャ「マックに咬んでもらえ、ちょっと」
ジャッキーがクーラーバックの中を探りながら気軽に言う。
「どういうこと？」
ジャ「一回咬まれるとちょっと毒が回るから、耐性ができる」
ア「俺やったろか？」
言ったとたんインコのトッポがアーセナルの髪の毛をくわえて引っ張って、ジャッキーがうまくインコを避けてバシッとしばいた。
ア「痛った、おい、ハゲるって」
ジャ「マックにやってもらえ」
「でも、エースが言ってたけど、咬まれるのって、その…」
“アレの時みたいに気持ちいい”ってエースは言っていた。
ジャ「何や、聞いとんのかいな。ちょっと中毒性がある。まさに毒やからな。しかもそれぞれの個体で微量に毒の成分が違うから、複数入れると危ないねん。せやからマックにだけ咬んでもらい。契約したんならなおさら」
「何か関係あるの？」
ジャ「契約は俺らの本能やから。“魂の片割れ”が心に刻まれて逆らえへんの。ですてぃにーでおんりーわんのなんばーわん。そんなんが他のオスの毒に夢中になってたらじぇらしーやろ」
なんか話が入ってこないけど。
それって
「恋人同士みたいじゃない？」
ジャ「…まぁ、そうやな。そうなる奴もおる」
もし仮に、そうなったらどうなるのかな、と思ったけど、言った後のジャッキーの顔が何でか寂しそうだったので、もしかして過去に何かあったのかな、と思って黙っていた。
詳しく聞けるほど私達はお互いの事を知らない。知らないことが多すぎる。特に私は。
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2020年7月6日 21時
