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忠「これ、この前見てた店のやつやろ。欲しいのあった？」
私を抱き寄せたまま、耳元で囁くように忠義が言う。
お店で、緑のひかりを一目見たときに、忠義のことを思った。
忠義に似合いそうだな、と思ったので、彼が食料品を買っている間に、戻って買ってきたプレゼント。
きらきらする宝石には目を奪われたけれど、あそこにほしいものはなかった。
忠「なんか言うてよ、あげるから」
長い冬を越すように、土の中で暖かい寝床にくるまって目をつむっていたのに
今は雪の下の球根みたいに、飛び出したい気持ちがむずむずするのを押さえられない。
欲しいものを欲しいと言ってもいいのなら、私は
「家族がほしい」
永遠にも思われる、一瞬の間のあと
ばっと体を離されて顔を覗きこまれて、恥ずかしくなって笑ってしまった。
「…忠義、なってくれる？」
泣きたいのか笑いたいのかわからない。
私は震えていて、多分真っ赤な顔をしている。
忠「結婚してくれるん？俺と」
とても大事な場面なのに笑いが止まらなくなって、私は笑ったままうなずいた。
いつまでもくつくつ笑っている私を脇において、忠義は我に返ったみたいにエプロン姿の自分を見る。
忠「あぁ、もう。何でいま言うの？もっとちゃんとしたかったのに」
忠「念のために聞くけど、『家族がほしい』って犬とか猫とかの話やないよな？」
「それもほしい」
忠「なんで急に欲どおしくなんねん。ちょっともう、鍋の材料買ってもうたし夕食ヤスも誘ってもうたのに」
「だから、章ちゃんが来る前に、と思って」
忠「気ぃ使うとこ間違ってるからな、それ」
エプロンを外してため息をついた彼が、あらためて私の体を引き寄せるのを幸せな気持ちで受け止める。
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きりん虫(プロフ) - 茅香さん» 茅香さんはじめまして。人間味のある橙さんが私のツボです。コメントありがとうございます。 (2020年4月18日 5時) (
レス) id: 04ee5be231 (このIDを非表示/違反報告)
茅香(プロフ) - はじめまして。自分は黒担なのですが、きりん虫さんが描かれる狡いオレンジさんがとても好きです。 (2020年4月18日 1時) (レス) id: 79a5f5eb6c (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん明けましておめでとうございます！どうも青さんは天からの使者になりがちですね。尊い´д` ;。今年もよろしくお願いします！ (2020年1月4日 8時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - ニァさん» ニァさんはじめまして。コメントありがとうございます！自然と再生が裏テーマだったので季節描写が多かったのですが、楽しんで頂けたならよかったです。また更新中の作品に戻りますので遊びに来て下さいね！よろしくお願いします^ ^ (2020年1月4日 8時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - 暖かい緑さんに包まれたくなります！そしてキツツキさん、彼は鳥さんになりがちですね♪幸せの青い鳥さんでしょうか(*´ω｀*)ﾎﾜﾎﾜ (2020年1月4日 0時) (レス) id: 9f4337f44a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2019年12月21日 17時
