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ガ「Aちゃんのえっち」
「見られてることに気づいた時点でやめようよ」
ガ「その気になってるのにやめんのは無理やって」
女の人を帰した後でお店の扉を開けてくれたガムは、ちょっと息が上がって上気した顔で私を見た。
なんていうか
色っぽい。軽く興奮している感じ。
ガ「こんな時間にどうしたん？」
はっ、そうだった。
今日中においしいお菓子を調達しなければいけない事情を話したら、お店の奥から焼菓子の詰め合わせを持ってきてくれた。包装もしてくれると言うのでお言葉に甘えて店内の椅子に座って待たせてもらう。
「ガム、本当にここで働いてたんだ」
ガ「おん。もともとはAちゃんとお知り合いになるために記憶操作して潜り込んだ店やけど、お菓子作るのは好きやし、妻もできたからね」
「妻？」
ガ「さっきの子。ここのオーナーで、僕の妻」
もちろん戸籍がないから結婚はできないんやけど、と言ってガムは笑った。
そういえばガムは「妻たち」に血を分けてもらっている、と言っていたような…。
「ええと、さっきの人はガムが吸血鬼だって知ってるの？」
ガ「言ってあるよ。――信じてるかどうかはともかく」
焼菓子の箱にリボンを掛けながら、彼はちょっと複雑そうな顔をした。
ガ「なんでか俺が嘘ついてると思ってるみたい。だいたいが信じてもらわれへん」
私の知っている吸血鬼たちはみんなそれぞれ、自分の“食事”スタイルがあるらしい。
だいたいは街に出て、外見に誘われて寄ってくる女の子の血をちょっともらって、記憶を操作して無かったことにして終わり。
その場限りの関係。
咬んでも蚊に刺されたくらいの痕しか残らないから、女の子たちは多分彼らの魅力にうっとりしている間に血を取られて気持ち良くなって、終わったら全てを忘れているんだろう。
咬み痕はキスマークみたいにも見えるからそれはそれで困るんだけど。
でもガムはちゃんと女の子と恋をして吸血鬼であることをカミングアウトして血をもらうという。
そして気持ちが離れたらそこで関係は終わり。
彼は人の気持ちをコントロールできる能力を持っているけれど、恋愛対象の女の子には能力は使わない。
そして特定の子からだけ血をもらうことにはそれなりに健康のリスクがあるから、同時に何人か掛け持ちしている。
だから、「妻たち」。
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きりん虫(プロフ) - ブルームーンさん» 最高頂きました！ありがとうございます。ちょっと来週からまたここの更新を頑張ります。 (2020年5月23日 6時) (
レス) id: 04ee5be231 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - うーん、やばい、最高！！ (2020年5月22日 20時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - めろんぱんさん» めろんぱんさんこちらにもコメントありがとうございます！ここの反応が1番ドキドキなので嬉しいです〜！ (2020年5月22日 12時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
めろんぱん(プロフ) - 朝から泣きましたーーーーー丸山さんはもちろんですが他の方々もみんなぴったりしっくり来すぎてすごい。このシリーズ大好きなので、続くと聞いて狂喜乱舞しております！！泣いたり笑ったり忙しい。。。ありがとうございますーーー (2020年5月22日 10時) (レス) id: b5cc118e0b (このIDを非表示/違反報告)
きりん虫(プロフ) - さくらさん» さくらさんはじめまして！コメントありがとうございます。何回も読んでくれたなんて嬉しいです！不定期更新ですが気長にお付き合いください！ (2020年5月16日 21時) (レス) id: 3c36dba7b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きりん虫
| 作成日時：2019年11月25日 18時
