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嗤いと炎 ページ45

「何なんスか何でオレに追いつけるんスか?!アンタは、女性っスよね?!」



「ホ、ホタル、速、追いつけないっ...!!」



「オレっ、ら仮にもバリバリの、運動部、だよな?!」



風すら追いつけないと言われても納得せざるを得ない速度で彼女は駆ける。紅をにじませた艷やかな黒髪をはためかせ、夜に光を放ち揺らめく灯火のように見るものの視線を惹きつける。



「らぎぃさん、すまないがその宝石のついた筆は返してもらうよ。これは大事なものらしいからねぇ?」



「何者なんスかアンタは...」



「あたしかい?」



そう言って足を止め、彼女はこの学園には似つかわしくないくらい眩しい輝きをこぼす。生まれた頃から五体と、命と大体の臓器が揃っているだけで幸運だと言える環境で育ってきた彼にはそれが酷く眩しく、触れたら痛みを伴いそうなくらい自分の近くにあってはならないもののような気がした。



「あたしはホタル。鬼殺隊最後の炎柱、煉獄杏寿郎が継子の乱杙蛍さ。」



綺羅綺羅、綺羅綺羅。いつの日か見た夕焼け、何一つとして持っていない自分達が唯一と言っていいほどに誇れる夕焼けの空。自分達を飲み込もうとする真っ黒な空に最後まで滲む血の赤。不気味なまでに美しい風景は、今もまざまざと瞼の裏側に焼き付いて離れはしない。



昔、愛してくれる祖母が言っていた。




不滅(インモルタル)の灯火。それは、誰でも平等に照らす光で、不滅なのだと。どんなに強い雨に打たれようと、激しい嵐に襲われようとも燃ゆる灯火は絶対に消えない、どんな時でも自分達を太陽となり蝋燭の炎となり見守るのだ。




そんなのスラム街にはいないはずなのに、と笑い飛ばしたけれど心のどこかで支えになっていた。祖母の語ってくれたお伽噺と言われても仕方のないこの言葉が自分を心を灯す火種になっていた。自分も照らし、見ていてくれる存在がいる。




生まれ育った劣悪な環境でも誇らしげに花開かせるあの赤い花に、彼女はよく似ていた。




「アンタは、カランコエっスね。本当なら感謝したいんスけどオレにはやらなくちゃならないことがあるんでお暇させてもらうっスよ!!」



世界をひっくり返すために、自分の心を支えてくれた花を大切な思い出として静かに抱きしめながら1人の狡猾なハイエナは嗤って彼らを欺いた。

2番目と炎→←三つ葉と炎



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鈴懸(プロフ) - 星猫さん» すみません、私は友達であろうと他人であろうと合作する気は全くもってありません。 (2021年10月2日 19時) (レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか?怪談レストランは知ってます?後、一緒に合作しませんか? (2021年10月2日 11時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
鈴懸(プロフ) - 星猫さん» 返信遅れました、コメントありがとうございます (2021年9月23日 21時) (レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月19日 21時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鈴懸 x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 2時

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