巻き込まれる炎 ページ41
小さなカッコつけを貫くことにした嘘つきのネズミ捕りはいつものように掴めない笑みを浮かべ、彼女の元へ戻る。自分の背中を押すと言うよりは思いっきり殴った彼と示し合わせた言葉を使ってその場を収める。
尚も心配そうにこちらを見る彼女にカッコつけから生まれたちょっとした優越感、見ろよオレはホタルから大事に思われてるんだと白緑の青年の方をちらりと向いて悪い笑みを零した。今はお前の方がホタルの近くにいたとしても彼女から“大事”にされているのは自分。手先だってずる賢さだって自分の方が優れてる。
「さっきからエース可笑しいんだゾ?まさか...オレ様に隠れて良いもん食ったんじゃねぇか?!」
お子ちゃまなグリムにこの美味しさは理解できないとからかえばどうでもいいからそれを寄越せとグリムは彼に飛びかかる。
数個の引っかき傷を負いながらもかなり晴れやかな気持ちで彼は残りの時間を過ごした。
想いを自覚しかけた彼の甘い言葉に慣れず、甘える小さな弟のようになったエースをその度に撫でてやりながら数日が経過した。その間の学園は平和で、生徒同士の喧騒は絶えないものの誰かの命が脅かされる危険のない日常は彼女がずっと願っていたもの。
「食費がかさんでいるんですよねぇ〜!」
「住居の提供は有り難いが水回りをまずどうにかして欲しい」
「へ?」
しかし捻れ歪んだ世界は彼女に平穏な日常など与えてくれやしないのだ。
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鈴懸(プロフ) - 星猫さん» すみません、私は友達であろうと他人であろうと合作する気は全くもってありません。 (2021年10月2日 19時) (レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか?怪談レストランは知ってます?後、一緒に合作しませんか? (2021年10月2日 11時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
鈴懸(プロフ) - 星猫さん» 返信遅れました、コメントありがとうございます (2021年9月23日 21時) (レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月19日 21時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴懸 x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 2時