遠い炎 ページ37
ぶっちゃけ言えばほぼ一目惚れ。自分が当然だと思ってしてきた努力の結果はあっさりと破れ、遥か遠くの領域に存在する剣士を知った。
悔しい。勝てない。守れない。負ける。彼らしからぬ暗い考えが頭をよぎり始める。それほどまでに眼の前の人間の少女は強かった、自分にはないものを持っているような気がした。
ごちゃまぜになりかけた心に光をさしたのもまた、彼女だった。太陽の下で笑っている。そよ風に靡き艷やかな黒に朱を滲ませこちらを見ていた。弱者に対する嘲りかと卑屈になってみればそれは正反対のもの。
尊敬の眼差し。自分が主に向ける目線なのかと錯覚するほど夜空の瞳に宿る光は綺羅綺羅と輝いていた。
彼女には及ばずとも守るために剣を握る彼は彼女の瞳に宿る炎に魅了される。
強さを求める貪欲さ、信念を貫き通す覚悟、死をも恐れない意思の強さ。
全てを焼き払うかのごとく激しく、それでいて周りを暖め照らす優しい炎が彼女の瞳には宿っている。
その炎に少しでも触れてしまえばもう忘れることなど出来やしない。熱も、光も、自分の心を否が応でも照らして自分の前から消えて行こうとする。彼はそれが許せなかった。自分が灼かれても構わないから、光を失い盲目となっても構わないから、自分を照らした炎の温度を１番近くで感じていたい。
自分よりも近い場所で他人を照らさないで欲しい。彼女に１番照らされるのは自分でありたい。
そんな無自覚に積もっていた感情は天然なトランプ兵によって暴かれる。状況の整理が出来なかった彼は自身の心の内をそのまま表現し教室中の窓ガラスを割りまくったのだ。
窓ガラス自体の被害は心底甚大である。
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鈴懸(プロフ) - 星猫さん» すみません、私は友達であろうと他人であろうと合作する気は全くもってありません。 (2021年10月2日 19時) (
レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか？怪談レストランは知ってます？後、一緒に合作しませんか？ (2021年10月2日 11時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
鈴懸(プロフ) - 星猫さん» 返信遅れました、コメントありがとうございます (2021年9月23日 21時) (レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして！とっても素敵ですね！高評価しました！ (2021年9月19日 21時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴懸 x他1人 | 作成日時：2021年8月8日 2時
