気付かない炎 ページ33
普段なら何を言われても基本的に言葉を返せるのに何故か今回は、返す言葉が見つからない。ありがとうなのか、冗談と捉えればいいのか、喜べばいいのか。
「・・・すまない、事実だ!!!!!!!!!!!」
剣技が綺麗だと、同僚に褒められたときは嬉しかった。自分の師の剣技をずっと見ていたからそれを褒められているみたいで嬉しかった。
けど、彼女は自分自身のことを褒められ慣れていない。彼女の努力や、剣技の称賛は遠慮がちに、時には嬉しそうに受け取るが容姿のことを他人から褒められるのは途轍もなく恥ずかしい。冗談で済まして貰えれば笑って終われたけれど事実だと言われてしまった。
「すまない、褒められ慣れて、なくて、すごく、照れるねそれは...」
いつものカラカラと笑う彼女は何処やら、そこには顔を真っ赤にして恥じらう麗しい少女の姿。少しの間体を固めて沈黙した彼はにやりと何だか悪い笑みを浮かべる。
「ならばこれから僕は毎日ホタルの美しさについて少しずつ語るとしよう。時間はいくらあっても足りん、覚悟するんだな。」
顔を赤くしたり青くしたりしてやめろと懇願する彼女を見てさらに機嫌よく爽やかな笑みを浮かべる。いつもは飄々と余裕な笑みを零している眼の前の少女が自分の前で年相応の表情をしているのが嬉しくて仕方ないのだ。
「綺麗、って言葉だけでもこんなに気恥ずかしいのにそれ以上の言葉をセベクは言うつもりじゃないよな?!」
彼は読書が自分の趣味で良かったと心の底から思った瞬間であった。
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鈴懸(プロフ) - 星猫さん» すみません、私は友達であろうと他人であろうと合作する気は全くもってありません。 (2021年10月2日 19時) (レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 知ってるアニメは何ですか?怪談レストランは知ってます?後、一緒に合作しませんか? (2021年10月2日 11時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
鈴懸(プロフ) - 星猫さん» 返信遅れました、コメントありがとうございます (2021年9月23日 21時) (レス) id: b78c3dc165 (このIDを非表示/違反報告)
星猫 - 初めまして!とっても素敵ですね!高評価しました! (2021年9月19日 21時) (レス) id: f84c743866 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鈴懸 x他1人 | 作成日時:2021年8月8日 2時