決断 ページ10
＊
「まぁ、奴等はユニちゃんにゾッコンみたいだから、煮られようが焼かれようが大喜びかもしれないけどね」
そう言われて、ユニの脳裏に思い浮かぶのは大切な家族の姿。
大切な家族を人質に取られ、それでも決断を迫られるユニ―――。
千鶴からの後押しもあった。 決めるのは――――彼女だ。
悔しそうに歯をギュッと噛んだ後、静かに真っ直ぐと告げる。
「皆は―――分かって、くれます」
そう言ってユニが下した決断。
それは――――――――分かってくれる。
つまりは、言わなくても分かるだろう。 そう言う、事だ―――。
「え、で、でもそれって―――仲間を―――！」
何かを言いかけたツナ。
しかし、全てを言い終える前に言葉を噤んだ。
その理由はたった一つ、千鶴が静かに此方を見ているからだ。
「後は貴様だけだ」
「え……？」
何かしらの暴言を吐かれると思ったツナ。
しかし、思っていたのとはかなり違った為に吹抜けた声が出る。
「俺はユニとの契約がある。
だが、守って欲しいと言われたのは貴様だ。 貴様が守るかどうか」
そう言った千鶴はすぐに遠くの方を見る。
何を問いかけようとも恐らく何とも声を返さないと言えた。
「で、でも、この子の仲間が……！」
戸惑うようにユニを見る。
しかし、ユニの眼を見てツナは固まった。
その眼は真っ直ぐと覚悟を決めた眼だった。
言っていて、こうなる事が分かっていて――それでも、言っている。
そんな―――… 哀しい、決断を下した、眼だった―――…。
「来るんだ!! 俺達と一緒に!!!」
その言葉を聞いてか。
ユニの瞳から一瞬だけ、涙がこぼれた。
「皆!! この子を護ろう!!」
ツナの決断に誰もが頷いた。
皆、守りたいと思っていたのだろう―――。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未桜(プロフ) - ユニが、チョイスを向こうとしますの無効がちがうぜ (2015年3月24日 12時) (
レス) id: d04b8e9548 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 華紅夜さん» 返信遅くなって申し訳ありません！返すべきか悩んだ末、返させていただきます！ まだまだ更新が雑…中途半端ですが、一時期の間です！もうしばらくお待ち下さい!! はい、更新頑張ります!! (2015年2月22日 16時) (レス) id: 8d7f53da0f (このIDを非表示/違反報告)
華紅夜 - とても面白いです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2015年1月27日 19時) (レス) id: 51b22c66a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：王獣闘蛇 | 作成日時：2014年12月8日 19時
