川の中で ページ50
◇
巡る川の中で。
私は浮かんでいた。
私はまだ、浮かべない。
周りの者達は次々に上がっていく。
巡る川の中で、私はどんどん、沈んでいった。
沈むのは罪人だけなのかもしれないと思った時、私も罪人なのかと自分を嘲笑う。
沈む中で、私は不意に手を伸ばす。
何故伸ばしたのかは分からないが、伸ばしたのだ。
伸ばした先に何があったのか。
何を見ようとしたのか―――。
―――下れ。
耳奥で残るのはその声。
誰の声なのか、忘れてしまった。
けれども、この声だけは忘れはいけない。
本能がそう語り、私が忘れようとする事を拒絶する。
―――楽しみにしている。
待っててください。
名前も顔も知らない人。
私の中で、貴方は特別な人です。
全てを忘れました、けれど、貴方の声だけは覚えています。
何時か―――。
巡りあった時、貴方の声で思い出しましょう。
貴方のその全てを楽しむような妖艶な声で、私は貴方を見つけましょう。
だから今は―――――――――。
この巡る川の中に居る事を、赦して下さい。
巡る川の中で。
あの人は待ってくれるだろうか？
巡る川の中で。
あの人は覚えてくれているだろうか？
巡る川の中で。
あの人は――――…私を、必要としてくれているだろうか…？
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未桜(プロフ) - ユニが、チョイスを向こうとしますの無効がちがうぜ (2015年3月24日 12時) (
レス) id: d04b8e9548 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 華紅夜さん» 返信遅くなって申し訳ありません！返すべきか悩んだ末、返させていただきます！ まだまだ更新が雑…中途半端ですが、一時期の間です！もうしばらくお待ち下さい!! はい、更新頑張ります!! (2015年2月22日 16時) (レス) id: 8d7f53da0f (このIDを非表示/違反報告)
華紅夜 - とても面白いです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2015年1月27日 19時) (レス) id: 51b22c66a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：王獣闘蛇 | 作成日時：2014年12月8日 19時
