取引 ページ49
◇
「―――――分かった」
最終的に出した答えはYES。
フリーで居るよりも眠っていた方がいいだろう。
頷けば満足した様に千鶴は笑う。その笑みがどうしても気に入らない。
それは、彼女を失った憎しみからだろう。
「貴方の言う通り、眠るわ。
ただし、あの子が来るまでは起こさないでよね」
Gunの言葉に千鶴は笑いながらも「あぁ」と告げる。
嘘を吐きそうな顔なのに、嘘は吐かないと告げる彼女。
強い力を持っているのだからこれぐらいの契約は当然守るだろう。
静かに体の力を抜けば、擬人化の術は溶けてGunは眠りにつく。
それを見ていたJudgeは不思議そうに千鶴に問いかけた。
『いいの？そんな約束して』
千鶴に利益、無いじゃん。と続けるJudge。
確かに利益など無いが――興味が湧いたダケだ。
「興味が湧いた。それだけだ」
武器にあそこまで依存ざれる主人。
それは武器と自分を対等に扱い、大切にして来た証拠だ。
千鶴はJudgeもCrazyも自分の武器だと思っているし、大切にしている。
だが、メザクラの様に対等に扱う気は無い。
武器は武器だ、主人の命令通りに従えと言うのが千鶴の考えである。
JudgeもCrazyもそれを受け入れている。自分達は武器だからと。
『珍しい』
その言葉に千鶴は喉で笑った。
確かに―――珍しいかもしれない。
笑えばJudgeは困った様な、曖昧な顔を見せた。
「気まぐれだ」
自分に言い聞かせる様にそう告げる。
告げればJudgeからはもう何も聞こえない。
拳銃に戻ったGunを拾い上げ、自室へ繋がる穴をあけた。
ひらひら、と黒蝶が主人を見つけて飛んでくる。
此奴等は本当に忠実だな、と思いながらもGunを見せれば理解してくれる。
数匹が集まり器用に持つ黒蝶。
その身体にどんな力があるのだろうか、と思ったが魂を繋ぎ合わせて作ったのでそれぐらいは朝飯前だろう。
黒蝶がGunを運び終えれば空間を閉じる。
そして静かに一点を見つめる。
「行くか」
契約の為に。
心の中でそう告げて、千鶴は歩き出した。
ｻｧｱ…と風が吹き、頬を掠め取った。
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未桜(プロフ) - ユニが、チョイスを向こうとしますの無効がちがうぜ (2015年3月24日 12時) (
レス) id: d04b8e9548 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 華紅夜さん» 返信遅くなって申し訳ありません！返すべきか悩んだ末、返させていただきます！ まだまだ更新が雑…中途半端ですが、一時期の間です！もうしばらくお待ち下さい!! はい、更新頑張ります!! (2015年2月22日 16時) (レス) id: 8d7f53da0f (このIDを非表示/違反報告)
華紅夜 - とても面白いです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2015年1月27日 19時) (レス) id: 51b22c66a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：王獣闘蛇 | 作成日時：2014年12月8日 19時
