再戦 ページ31
＊
「相変わらず平和主義者ですね、千鶴様は」
「平和主義者？笑えん冗談は止せ。
俺は平和主義者では無い。邪魔な存在を退けただけだ」
「確かに。その通りではありますが」
クスクスと笑うメザクラ。
イラツクが彼女のペースに乗せられる訳にはいかない為、千鶴は何も言わなかった。
煙管の煙を吸い上げ吐き出す。香りを纏わせては自分が不利になる可能性もあるのだが、敗ける気はない為問題は無い。
「そう言えば千鶴様はとある神に気に入られていましたよね」
「………神？
あぁ、確かに。アイツを神と言うのならば気に入られているんだろうな」
メザクラの言葉に不信感。
不思議そうな顔をした千鶴だが次には笑った。
「あの馬鹿の事だろ？
アイツは神とは言えん、御人好しな奴だ」
アイツを神なのかと問われれば千鶴は間違いなく即答に近いくらいに否と答える。
それぐらい、その“神”と呼ばれる奴は馬鹿で御人好しなのだ。
「でも、神なんでしょ？」
「まぁな」
そこだけは否定できない。
奴は神では無いが、神である。
人間が進行を止めない限り奴は神の座からは落ちない。
だから千鶴がどんなに否定しようが奴は神なのだ。そしてちゃんと強力な力も持っている。
「何で貴方が気に入られてるかは知らないけど…
でも、貴方を捕まえたらその神様、食べられるかな？」
じゅるり。
下品な涎を啜る様な音が聞こえ、千鶴は顔をしかめた。
あの面倒な神を殺される事に何の感情も持たないが、多少気に入らない所があった。
「俺を倒す？」
意味不明だ。
自分を倒す事など、出来ないハズなのに。
例え十年後が相手だろうが奴は自分には敵わない。
例え百年後だろうが、力の差が天と地ほど違っているのだ。
力量を間違えたのか、はたまた――何か秘策があるのか…。
頭のいい奴の事だ、後者の方が正しいと言えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 49人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
未桜(プロフ) - ユニが、チョイスを向こうとしますの無効がちがうぜ (2015年3月24日 12時) (
レス) id: d04b8e9548 (このIDを非表示/違反報告)
悠(プロフ) - 華紅夜さん» 返信遅くなって申し訳ありません！返すべきか悩んだ末、返させていただきます！ まだまだ更新が雑…中途半端ですが、一時期の間です！もうしばらくお待ち下さい!! はい、更新頑張ります!! (2015年2月22日 16時) (レス) id: 8d7f53da0f (このIDを非表示/違反報告)
華紅夜 - とても面白いです！続きがとても気になります！更新頑張ってください！ (2015年1月27日 19時) (レス) id: 51b22c66a2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：王獣闘蛇 | 作成日時：2014年12月8日 19時
