勝利へ揺るがぬその感情。 まさに…憐れ、眩暈眩暈…… その様な姿をさらすのもまた一興に御座います―――…… ページ7
クローム「…………！」
クロームはキッとバイパーを睨みつける。
だが、今の彼女が何を念じたとて―――……。
バイパー「もう、何を念じても無駄だよ。 君はすでに僕の幻覚世界の住人なのだからね」
バイパーが小さな手でクイッと手を動かせた。
それに反してクロームの足を拘束していた氷が動き、彼女を地面に叩きつけた。
クロームは即座に起き上り、そして槍を大事そうに持つ。 明さまにその槍はとても大事ですと言っているようなモノだ。
静かに眼を凝らせば、『悪魔の眼』で見れば… すぐに。 ほら。 人の物なんて、すぐに
バイパー「ムム。 どうやらその武器は相当大事な物の様だね……」
クローム「！ ダメ」
バイパーは止めない。
止めるなど、考えていない…。
クローム「ダメ――――――ッ!!!」
パーンッ
槍が残骸となり、砕け散った。
クロームはその次の瞬間。 血を吐き出し、腹を凹ませた。
徐々に陥没しているクロームの腹。 疑うもなにも、これが現実だ。
千鶴「これはやはり、現実… 一体、何があったのでしょうねぇ……？」
ポツリと呟く千鶴。
知っているくせに。と言ってはいけない。 禁句だ。
『眼』を凝らせば"観える"が、あまり興味が無い為観る気も無い。
バイパー「にわかに信じがたいが… 彼女は幻覚で出来た内臓で延命していたらしいね…」
確かに、にわかに信じがたい話だ。
幻術とは脳を騙している事に近い。 つまりは、有幻覚でない限りは錯覚で脳を騙しているに近いのだ。
錯覚で延命させていたとは。と考えれば、かなり信じがたい話と言えるがそれでも実際無いとは言い切れない。
ツナ「！」
ふと、敵のボスが顔を蒼くし、冷や汗を掻き始めた。
何に対して怯えているのか…… イヤ、怯えているのではなくただ純粋なる恐怖心か…。
ベル「なーんだ。 フタを開ければマーモンの圧勝かよ。 しかもアルコバレーノの力もちょっとしか見れねーしさ」
レヴィ「これで全てが終わったな。 ……………？」
前を向けばクロームと言われる少女の体から霧が発生している。
女術士によくある事と言えばそうなのだが、今回の場合は、ちと違う様だ。
ツナ「………来る！」
山本「ツナ!?」
何が来る？
何が…… 未知なる、何かが来る…。
予期せぬ来客か。 はたまた呼ばれた来客か。 それを選ぶのもまた、一興に御座います―――……→←勝利にこだわるその姿。 まさに、無知無能憐れ、そして何より、馬鹿らしい姿に御座います――――……
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作者名：王獣闘蛇 | 作成日時：2014年7月2日 19時
