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さて、改めて食堂内を観察してみると、他にも色んなことに気がつくことができた。
まず、料理を作っている人が誰もいない。もしかしたら、寮生が自分で調理して食べてるのかも。……わたし、料理はあんまり得意じゃないんだけどな。
「にゃ〜ご」
突如、可愛らしい猫の声が食堂に響いた。声のした方を見ると、そこには黒猫を抱えたクルスさんがいた。え、この学園ってペットOKなんだ。
「あ、失礼しました。……えっと、直接話すのははじめて、ですね」
わたしの視線に気がついたのか、不意にクルスさんがこちらを向いた。黒猫もこころなしかこちらを向いている気がする。にしても、自己紹介の時も思ってたけど可愛い声してる。萌え声、って言うんだっけ。
「先程も言わせていただきましたが、改めて。来栖 彩瑛、
その後も、一、二分ほど自己紹介は続いた。クルスさんって、無口に見えて意外と饒舌なんだな。……もしかしたら人見知りなのかも。
「最後に、名前の漢字を」
そしてクルスさんは黒猫を降ろしてペンとメモ帳を取り出した。黒猫はクルスさんから離れて私の近くに寄ってくる。わぁ、可愛い子だな。
クルスさんがメモ帳に文字を書き出す。意外にも文字は手書き系ではなく明朝体風だった。そして書き終わったらしく、紙をわたしに渡してきた。どうやら、クルスさんは『来栖 彩瑛』って書くみたい。
……よく考えてみたらさ、なんで皆──主に中三の先輩方はわたしに名前だけじゃなくて名前の漢字まで教えてくれるのかな。絶対に、意味があるはず。
「あの、ひとつよろしいですか？」
「なんですか？」
恥をしのんで質問しようとしてみると、案外呆気なく承諾してくれた。……当たり前か、この寮の人達って皆優しいからね。
「なんで私に名前だけじゃなく漢字まで教えてくれるんですか？」
「あー、それはですね……って、リオ！ どこに行くの？」
答えてくれる直前で、来栖さんの黒猫──リオちゃんが食堂の出入口に向かって駆けて行った。……来栖さんもリオちゃんを追いかけてどっか行っちゃったよ。
「ねぇ凪咲ちゃん、お隣座っても良い？ 彩瑛はしばらく帰ってこないと思うし……しばらくわたくしとお喋りしようよ！」
少し困っていたその時、寮長とのお喋り、という名の救いの手が差し伸べられた。寮長はさっきの疑問に答えてくれるかな……？
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね！ (2021年8月10日 23時) (
レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです｡これからも頑張って下さい｡応援しています！ (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎（星空の武器屋作者）さん» わわ、コメントありがとうございますー！！ 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします！！ (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎（星空の武器屋作者） - 好きです！（唐突）これからも頑張ってください！応援してます！ (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ：なし
作成日時：2020年10月11日 7時
