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 湊が扉をノックすると、すぐに扉が開いた。寮生の誰かが開けてくれた様子はないから、多分自動ドアだ。凄いな、このシステム。中では、みんながみんな自由に過ごしていた。

「あ、凪咲ちゃん来たんだ〜。それに湊も! わたくし、二人が来るまで待ってたんだ〜!」

 食堂に入ると、すぐにクドウさんが駆け寄ってきた。相変わらず元気な人だなぁ。……あ、今更思い出したけどクドウさんに聞きたいことがあるんだった。

「あの、ひとつよろしいでしょうか?」

 寮長相手だからか、それとも先輩相手だったからか。自然と敬語になってしまっていた。クドウさんってきっと、畏まられるのは嫌なタイプだよね……。

「なぁに? 月乃の変な距離の詰め方か、それとも違う質問? わたくし、なんでも答えちゃいまぁ〜す!」

 ……寮長、ツキノさんのこと知ってるんだ。多分ツキノさんが自分から言ったのかな? まぁ今回の質問とは別件だけども。理由を聞いてみたい、という気持ちも少しはあるかな。

「えっと……なんで歓迎のとき湊を忘れていたんですか?」

 口に出した後に気がついた。これ、めちゃくちゃどうでもいい質問だ。単純に忘れていただけかもしれないし、違ったとしても物凄くどうでもいい。寮長に対して不敬だよ、これ……。

「……良いところをついたね、ナギ」
「えっ……?」

 予想外の人、予想外の内容。びっくりしすぎてあんぐりと口を開けたわたしを見て、マイズミさんは哄笑していた。そんなに面白かったかな、わたしの顔。

「実はね、湊ちゃんはうちの寮生じゃないんだ。正確に言うと、『どの寮にも所属できないから、うちの寮で預かってる』っていう形」

 先程の爆笑とは打って変わって落ち着いたな声音で語るマイズミさん。うわぁ、テンションの高低差が激しい……。
 それに、『どの寮にも所属できない』ってことは属性が無い──つまり、湊は魔法が使えないってことだよね。そんな人が、この魔法学園に入れるのかな……?

「私は海野 湊。ナギには言いそびれたけど、『氷結の魔眼』を所有しているよ」

 その言葉から始まった、二度目の自己紹介。湊が持っている魔眼は、属性では分けられない。つまり、氷結の魔眼っていういかにも水属性な名前でも属性無し、という扱いになるわけだ。
 ……それに、魔眼というのは世界の中でも数人しか持たないと言われている奇跡の目。そんな人がいるだなんて、改めて凄いな、この学園。そして、湊も。

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設定タグ:オリジナル , 市販書き(一次創作) , ファンタジー   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年10月11日 7時

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