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まずは着替えが入っているキャリーケースをプライベートルームに持っていく。それを開けると、中に手紙らしき封筒が入っているのが見えた。封を開けて内容を確認してみる。
『十一時半くらいになったら私は環さんの部屋をノックします。それまでに荷物整理を済ませておいてください。』
とても簡素な手紙。差出人には『海野 湊』と書かれている。読み方はカイノか、ウミノか、それとも他の呼び方か。でも、さっきの自己紹介の時にこんな名前の人、居なかったよね? 名前だけ見るとサファイア寮辺りの人に見えるけど、多分ここの寮だよね。
とりあえず、荷物整理を進めた。一通りのものを片付け終わったところで、ドアがノックされた。多分、海野さんだ。玄関の扉を開けると、そこには特徴的過ぎる瞳の女の子が居た。
「はじめまして、中等部二年、
あ、ミノさんだったのね。とりあえず、海野さんの問いに頷いておいた。……待って、寮長サラッと海野さんのこと忘れてなかった!? それに他の寮生も突っ込まなかったよね。
一応そのことは置いておいて、わたしは海野さんの次の言葉を待った。
「食堂に案内します。ついてきてください」
それだけ言うと、サッと右方向に歩いていった。わたしも置いていかれないように海野さんの後ろを追いかける。海野さんはわたしに気を使っているのか、ちょうどいいくらいのスピードで歩いてくれていた。
「一学年違うだけなので、友達になりましょう。それで、『凪咲』と呼ばせていただいても?」
なんだろう、なんでこの寮の人達は距離の詰め方が急なんだろう。まあ海野さんの場合はツキノさんと違って、突拍子もない話ではないんだけどね。……これ、ツキノさんに失礼か。
「分かった! 呼び方だけど、どうせなら『ナギ』で良いよ。それじゃあ、湊って呼ぶね?」
「よろしくお願いします、ナギ。……あ、友達なんだから、敬語も抜かないとね」
よし、友達交渉成立。それから、わたし達は色んなことを話しながら、食堂へと向かった。にしても、この寮はどこもかしこも装飾が凝っている。廊下を歩くだけでもどこぞのお城を闊歩している気分になれるもの。
湊が立ち止まった。目の前にはとても豪華な扉がある。
「到着しました。ここが食堂です」
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし
作成日時:2020年10月11日 7時