◇ ページ15
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応接間。ロビーの奥の扉を開けると、そこにそれはあった。ダイヤが使われていると思われるシャンデリアが頭上──じゃないけど、で煌めいている。一言で表すと『綺麗』かな。
「ねえナギ、ホントに着いてきて貰っても良いの?」
「だいじょぶ、わたしも親友に会えるチャンスだし、ね!」
そんな他愛ない会話をしている内に、二人の少女が応接間に入ってきた。片方はユリで、黒髪ロングの人はツキノさんに見えるけどフワさんって人かな。
「え、ナギ!? ……ごめんね、取り乱しちゃった。でも、こんなすっごい寮に入れたなんて凄いや……」
「ユリったらー、皮肉ってるの、ソレ?」
「そんな訳ないでしょ、本心だよ」
まぁ、大親友ということで会ったすぐに会話が弾む。その横で湊は微笑み、フワさんはわたし達を呆れ顔で見ている。ちょっと恥ずかしい、かも。
「そろそろ静粛に、一年生のお二人さん」
しばらく話を続けていると、フワさんに肩を叩かれて静止を求められた。先輩と聞いたので、止まらなかったら失礼だなと思って話し止まる。まさか二人でシンクロするなんて思ってなかったけど。
「では、私達の寮へ移動しましょう。鈴鹿さん、環さんをお願いします」
わたしとユリが静かになると、フワさんは立ち上がってそんな事を言う。フワさんが先導し、湊がそれに着いていき、わたしとユリが更にそれを話しながら追う。
「そう言えばさ、なんで湊は呼ばれたの?」
「それは、後から月例集会で発表されると思うけど……聞きたい?」
私の問いかけに言葉を濁すユリ。うーん、今すぐ知りたいって訳じゃないし、後で知れるならモヤモヤが残らないと思うし。別に、今聞かなくてもいいかな。
「海野さんは、サファイア寮への移籍が決まったのですよ、環さん」
「私はサファイア寮に行くことになったの」
フワさんと湊の二人の声が重なる。繰り返すようだけど、湊はサファイア寮に行く、って事なのかな。意外なところで真実を知ることとなったよ。
に、しても意外とサファイア寮までは遠いようだ。話しながらに風景を見てたけど、本校舎の周りをぐるっと回って行く感じなのかな。
学園全体の地図は入学前にちらっと見たんだけど、本校舎を正面から見て後ろに四つの寮がある感じだったからね。ダイヤモンド寮は本校舎の真後ろにある感じだから、左手前に位置するサファイア寮までは遠いんだろう。きっと。
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星乃(プロフ) - 小鳥さん» コメントありがとうございます。お褒めの言葉を頂き、光栄です。応援もありがとうございます、これからも頑張りますね! (2021年8月10日 23時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
小鳥 - 凄く面白かったし、見やすかったです。これからも頑張って下さい。応援しています! (2021年8月9日 17時) (レス) id: 7e59eac1e2 (このIDを非表示/違反報告)
星名ことり(プロフ) - 安眠野郎(星空の武器屋作者)さん» わわ、コメントありがとうございますー!! 好きだなんて……とても嬉しいです(歓喜)これからも応援よろしくお願いします!! (2020年11月1日 10時) (レス) id: 30487c864e (このIDを非表示/違反報告)
安眠野郎(星空の武器屋作者) - 好きです!(唐突)これからも頑張ってください!応援してます! (2020年11月1日 7時) (レス) id: 57a528eae4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:星乃 -Hoshino- | 作者ホームページ:なし
作成日時:2020年10月11日 7時