検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:38,867 hit

18.寝ている間に ページ20

しばらく経つと、薫の腕がだらんとソファーから落ちる。

寝てしまった、のか。


「本当に眠かったんだなぁ……」


俺から逃げるための口実とかだと思ってた。正直ごめん。

人の気持ちが分からなくなってきて探り探りやるのはだめだな。
せめて好きな人のことは信用しないと…。

……いやでも、信じてみたら拒否られたんだっけ…。

けど嫌いにはなれないし、むしろまだ好きの気持ちは続いてる。
好きで好きでおかしくなってしまいそうで。


「はぁ……」


……どうしたらいいんだろう、俺は。

カチャンと拭き終わった皿を置き、リビングへと戻る。

____ふと思い出すあの温もりと香り。
薫の甘いあの表情。

……どうして薫は、あんなことを。

期待しちゃうじゃん。好きなのかなって思っちゃうじゃん。
俺は、そういう単純な奴だから。

単純な奴なりに、自信もってもいいの?
薫のことを、好きなままでいていいの?

『触れたい』

そう思った時には俺は彼へと手を伸ばしていた。
が、寸前で止め、その場へと座る。

じっと観察するように彼を見つめてから、もう一度手を伸ばした。

さらりと目元から前髪を避けてやると、『んんん』と薫が唸る。
寝てる、な。うん。


「ふ、髪きれい」


クセはあるが、指を間に入れてやるとすんなり通る。
肌も綺麗だしなぁ……。

こういう、見た目にも気を使っている人が女の子から好かれるんだろうな。

こうしてまじまじと薫の顔を見るのは初めてで。

改めて端正な顔立ちだなと思う。

この人の笑顔が、言葉が、愛情が全部自分だけに向けられたらどんなに嬉しいだろう。

……俺は友達じゃない、もっと特別な関係になりたいんだよ。

なんて、言えるはずもない。

19.諦めようと思った→←17.距離感



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
設定タグ:あんスタ , 男主 , 羽風薫
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桐明(プロフ) - にむらさん» 他の作品もなんて、本当にありがとうございます!読んでくださる方には感謝ばかりです……。そうですね……! (2017年3月27日 11時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 桐明さん» いーえ。他の作品も追いかけさせていただいてます、瀬名のやつは何回読んでも飽きなくて好きです…。男主っていいですよね! (2017年3月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
桐明(プロフ) - にむらさん» ありがとうございます……!;;可愛いと言ってもらえてとっても嬉しいです。更新頑張ります!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 2人とも可愛いです…応援してます、更新楽しみにお待ちしてます^^ (2017年3月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桐明 | 作成日時:2017年3月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。