18.寝ている間に ページ20
しばらく経つと、薫の腕がだらんとソファーから落ちる。
寝てしまった、のか。
「本当に眠かったんだなぁ……」
俺から逃げるための口実とかだと思ってた。正直ごめん。
人の気持ちが分からなくなってきて探り探りやるのはだめだな。
せめて好きな人のことは信用しないと…。
……いやでも、信じてみたら拒否られたんだっけ…。
けど嫌いにはなれないし、むしろまだ好きの気持ちは続いてる。
好きで好きでおかしくなってしまいそうで。
「はぁ……」
……どうしたらいいんだろう、俺は。
カチャンと拭き終わった皿を置き、リビングへと戻る。
____ふと思い出すあの温もりと香り。
薫の甘いあの表情。
……どうして薫は、あんなことを。
期待しちゃうじゃん。好きなのかなって思っちゃうじゃん。
俺は、そういう単純な奴だから。
単純な奴なりに、自信もってもいいの?
薫のことを、好きなままでいていいの?
『触れたい』
そう思った時には俺は彼へと手を伸ばしていた。
が、寸前で止め、その場へと座る。
じっと観察するように彼を見つめてから、もう一度手を伸ばした。
さらりと目元から前髪を避けてやると、『んんん』と薫が唸る。
寝てる、な。うん。
「ふ、髪きれい」
クセはあるが、指を間に入れてやるとすんなり通る。
肌も綺麗だしなぁ……。
こういう、見た目にも気を使っている人が女の子から好かれるんだろうな。
こうしてまじまじと薫の顔を見るのは初めてで。
改めて端正な顔立ちだなと思う。
この人の笑顔が、言葉が、愛情が全部自分だけに向けられたらどんなに嬉しいだろう。
……俺は友達じゃない、もっと特別な関係になりたいんだよ。
なんて、言えるはずもない。
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桐明(プロフ) - にむらさん» 他の作品もなんて、本当にありがとうございます!読んでくださる方には感謝ばかりです……。そうですね……! (2017年3月27日 11時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 桐明さん» いーえ。他の作品も追いかけさせていただいてます、瀬名のやつは何回読んでも飽きなくて好きです…。男主っていいですよね! (2017年3月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
桐明(プロフ) - にむらさん» ありがとうございます……!;;可愛いと言ってもらえてとっても嬉しいです。更新頑張ります!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 2人とも可愛いです…応援してます、更新楽しみにお待ちしてます^^ (2017年3月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桐明 | 作成日時:2017年3月26日 21時