12.気付き ページ14
―薫side
ここ最近、Aの様子がおかしい。
『どこ』がおかしいというか、『何か』がおかしい。
漠然とした違和感。ふと見える引っかかり。
もやもや、むずむず。
「んんん…?」
見た目が変わったわけでも、性格が変わったわけでもない。
……分からないな。
あの時__Aから、頭を撫でられた時もこんな感覚になった。
気分転換にゲームセンターに行ったけれど、考えることは変わらずAのこと。
女の子より、Aのほうがなぜか印象に残っている。
考えることは考えているけど、自分が何を考えているのか。
顔だけほわんと浮かんでは消え、またすぐに出てくる。
……自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。
本人に違和感を聞いたほうが早いのかなぁ…。
「かーおる」
「わっ!?」
「やほ、びっくりしすぎ」
考えながら帰り道を歩いている途中で急に後ろから声をかけられ、心臓が飛び出しそうになる。
隣に並んできたのはA。
俺の反応に喜んでいるのか良い笑顔だ。
どきどきと鼓動する心臓を静めるように息をひとつ吐く。
「途中まで一緒帰ろうよ。薫は今日も女の子と遊んで来たの?」
「まぁね…Aもどこか行ってきたの?」
「うん。侑介の家に行ってきた」
「侑介って……あぁ、遊んだ子」
「そうそう」
『侑介の家ってゲームいっぱいあるんだよね〜』と上機嫌そうに笑うA。
____一瞬、どんな顔をしたら良いのか分からなかった。
何かが、冷めていく。
「そ、うなんだ…良かったね」
「ん。…今度さ、薫とも遊べるとき遊びたいな」
「え」
驚いて動きが止まる。
Aもそれに気づいて止まって静かに俺を見る。
その瞳が、どこか寂しそうで、消えてしまいそうで。
「…やっぱり、だめかな」
「だめじゃ、ないよ」
食い気味にそう言ってしまったことが恥ずかしくなったが、Aの瞳が輝いていくのを見てしまい、そんなことはどうでも良くなった。
きらきらとした星が映っているような。
俺はそれから目を離せずにいた。
「!…ほんと…!嬉しいな」
…そのときのAの笑顔が純粋に可愛くて、
『嬉しい』っていうのが伝わってきて、
愛おしくて。
素直にこの人が好きだなって思った。
いつのまにか、この人の温もりを求めていた。
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桐明(プロフ) - にむらさん» 他の作品もなんて、本当にありがとうございます!読んでくださる方には感謝ばかりです……。そうですね……! (2017年3月27日 11時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 桐明さん» いーえ。他の作品も追いかけさせていただいてます、瀬名のやつは何回読んでも飽きなくて好きです…。男主っていいですよね! (2017年3月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
桐明(プロフ) - にむらさん» ありがとうございます……!;;可愛いと言ってもらえてとっても嬉しいです。更新頑張ります!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 2人とも可愛いです…応援してます、更新楽しみにお待ちしてます^^ (2017年3月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桐明 | 作成日時:2017年3月26日 21時