検索窓
今日:2 hit、昨日:1 hit、合計:38,862 hit

12.気付き ページ14

―薫side

ここ最近、Aの様子がおかしい。

『どこ』がおかしいというか、『何か』がおかしい。
漠然とした違和感。ふと見える引っかかり。

もやもや、むずむず。


「んんん…?」


見た目が変わったわけでも、性格が変わったわけでもない。

……分からないな。

あの時__Aから、頭を撫でられた時もこんな感覚になった。

気分転換にゲームセンターに行ったけれど、考えることは変わらずAのこと。

女の子より、Aのほうがなぜか印象に残っている。

考えることは考えているけど、自分が何を考えているのか。
顔だけほわんと浮かんでは消え、またすぐに出てくる。

……自分でも何を言っているのか分からなくなってきた。

本人に違和感を聞いたほうが早いのかなぁ…。


「かーおる」

「わっ!?」

「やほ、びっくりしすぎ」


考えながら帰り道を歩いている途中で急に後ろから声をかけられ、心臓が飛び出しそうになる。

隣に並んできたのはA。
俺の反応に喜んでいるのか良い笑顔だ。

どきどきと鼓動する心臓を静めるように息をひとつ吐く。


「途中まで一緒帰ろうよ。薫は今日も女の子と遊んで来たの?」

「まぁね…Aもどこか行ってきたの?」

「うん。侑介の家に行ってきた」

「侑介って……あぁ、遊んだ子」

「そうそう」


『侑介の家ってゲームいっぱいあるんだよね〜』と上機嫌そうに笑うA。

____一瞬、どんな顔をしたら良いのか分からなかった。
何かが、冷めていく。


「そ、うなんだ…良かったね」

「ん。…今度さ、薫とも遊べるとき遊びたいな」

「え」


驚いて動きが止まる。

Aもそれに気づいて止まって静かに俺を見る。

その瞳が、どこか寂しそうで、消えてしまいそうで。


「…やっぱり、だめかな」

「だめじゃ、ないよ」


食い気味にそう言ってしまったことが恥ずかしくなったが、Aの瞳が輝いていくのを見てしまい、そんなことはどうでも良くなった。

きらきらとした星が映っているような。
俺はそれから目を離せずにいた。


「!…ほんと…!嬉しいな」


…そのときのAの笑顔が純粋に可愛くて、

『嬉しい』っていうのが伝わってきて、

愛おしくて。


素直にこの人が好きだなって思った。

いつのまにか、この人の温もりを求めていた。

13.高ぶりから冷める気持ち→←11.ゲームセンター(2)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (50 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
105人がお気に入り
設定タグ:あんスタ , 男主 , 羽風薫
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

桐明(プロフ) - にむらさん» 他の作品もなんて、本当にありがとうございます!読んでくださる方には感謝ばかりです……。そうですね……! (2017年3月27日 11時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 桐明さん» いーえ。他の作品も追いかけさせていただいてます、瀬名のやつは何回読んでも飽きなくて好きです…。男主っていいですよね! (2017年3月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)
桐明(プロフ) - にむらさん» ありがとうございます……!;;可愛いと言ってもらえてとっても嬉しいです。更新頑張ります!! (2017年3月26日 23時) (レス) id: 1ca861306a (このIDを非表示/違反報告)
にむら(プロフ) - 2人とも可愛いです…応援してます、更新楽しみにお待ちしてます^^ (2017年3月26日 22時) (携帯から) (レス) id: 0ba05dac54 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:桐明 | 作成日時:2017年3月26日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。